来年1月に浦舟町へ移転する南区総合庁舎への区西側から交通アクセスに関し、市が市営バスの路線新設や既存路線の変更を模索している。移転まで1年を切る中、市は別のバス事業者と交渉を行ってきたが、採算面などで折り合わなかった。別所や六ツ川方面の住民から路線確保を期待する声が高まっている。
南区区政推進課によると、現庁舎の来庁者は多い日で2千人。過去の調査では、その2割がバスを利用しているという。
現庁舎は蒔田駅そばにある。神奈中バス、市営バスの停留所が庁舎前に設けられており、区内の各地域から地下鉄かバスを使えば、乗り換えなしで庁舎付近まで行くことができる。
現状では乗換必須
一方、新庁舎は地下鉄阪東橋駅から約400m。京急や地下鉄の駅まで遠い六ツ川や別所方面から新庁舎へ行くには、バスの利用が考えられる。しかし、区西側から新庁舎付近に乗り換えせずに行ける路線はない。そのため、浦舟町への移転が明らかになった2010年以降、区西側住民を中心にバス路線の確保を求める声が出ていた。
市はこれまで、神奈中バス側に現庁舎付近を通る既存の路線を新庁舎付近まで延伸できないか交渉してきた。同課によると、神奈中側は延伸した場合、大幅な赤字が出ることを理由に要望を断ったという。また、六ツ川大池地区出発し、別所などを通って新庁舎付近まで小型バスを通す新路線も検討された。しかし、採算面がネックとなり、昨年末までに神奈中側から実現できない旨の回答があった。
市は神奈中と同時に市営バスを運営する交通局とも交渉している。すでに阪東橋駅前など、鎌倉街道を通る79系統を庁舎前まで延伸させることが検討されている。課題の区西側を通る路線の新設について同課は「これから交渉を本格化させていく」と説明する。
住民から強い要望
以前からバス路線確保を要望していた別所地区連合町内会の平戸善久会長は「現状では上大岡から電車やバスに乗り換えるしかなく、負担が大きい」という。
事業者がバス路線を新設、変更するには国交省への申請が必要で、手続きに3カ月を要する。そのため、経路やバス停の位置などの詳細を遅くとも9月末までに決めなくてはならない。
同課は「以前から西側区民の新庁舎への足を確保するという方針を決めている。区民の要望に応えられるよう、バス事業者と交渉していく」としている。
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