南太田駅そばの常照寺で6月26日、子どもと大人が大人数で食事をしながら交流を深める「こども食堂」が開かれた。市民団体「横浜てらこやネットワーク」が企画したもの。同寺での初開催に50人以上の親子が参加し、食事やボール遊びを楽しんだ。今後も定期開催の予定で、地域団体とも連携しながら、寺を中心にしたコミュニティ作りを目指す。
「こども食堂」は食事を無料か安価で提供し、参加者が食卓を囲むもの。子どもが一人で食事をする「孤食」や貧困対策として全国で急速に広がり、今年に入って横浜市内でも数カ所で開かれるようになった。
常照寺での開催を企画した同ネットワークは、横浜青年会議所のメンバー有志や大学生のボランティアらで構成される。同寺副住職の伊東政浩さんは、以前から同ネットワークと交流があったことから、寺での開催が実現した。すでに4月に西区、5月に中区で食堂を開いている。
無料でカレー
京急線の高架下になっている同寺の駐車場にテーブルを並べて「食堂」を作った。カレーライスとコーンスープを用意し、子どもは何杯食べても無料、大人には300円で振る舞った。正午の開始直後は30席が埋まる盛況だった。食事後、子どもはボランティアの大学生とボール遊びなどで楽しんだ。南太田小1年生の娘と訪れた主婦は「大人とふれ合ったり、教えてもらえて良かった」と話した。
各地で食堂を開く「全国てらこやネットワーク」理事長の大西克幸さんも参加し、「市内全区で子どもの居場所を作りたいと」抱負を述べた。伊東さんは「子どもがさまざまな価値観を持つ大人と接することで教育にもつながる」と話した。
コミュニティの場に
会場には、町内会や南太田小PTA関係者、民生委員、保護司など、子どもの活動を支援するさまざまな立場の人も駆け付けた。さらに、近隣の飲食店から菓子の差し入れが届くなど、協力の輪が広がった。伊東さんは「昔の寺が持っていたコミュニティセンターの役割を果たせれば」と話し、地域の協力を得ながら、今後も月1回のペースで食堂を開き、あらゆる人が集える場を作っていく。次回は7月23日の予定。
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