マグニチュード(M)9、国内最大級となった東日本大震災を受け、市は震災対策などを盛り込んだ『横浜市防災計画』の見直しへ動き出した。「耐震化」「備蓄」「広報」「津波」など、新年度に入り項目ごとにプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、”想定内”となるよう検討を始めている。
市の防災計画は、国の定める災害対策基本法に基づき昭和38年度に策定。その後、修正を繰り返し、震災対策については、平成16年度の修正版が最新の被害想定となっている。
これまで想定されていた地震は、南関東地震や東海地震、横浜市直下型地震の3つ。最大でもM8・震度は7だ。今回の震災では、被害はなかったものの、約1mと想定していた津波が1・6mに到達するなど、市内でも”想定外”の状況となった。
震災を受け市消防局危機管理室では、「計画の見直しは急務」とし、4月中旬ごろから、市内学校や公共施設など建築物の「耐震化」、地域防災拠点やその他の公共施設の「備蓄」、震災発生時の市民への「広報」、想定を上回った「津波」の4項目について、PTを立ち上げ再検討に入った。PTへは識者に加え、各区役所職員なども参加し、より地域に即した意見も収集していくという。
備蓄に課題
震災当日、市では公共施設約50カ所を開放し、帰宅困難者約1万8千人を受け入れた。電車など交通網がまひしたため一時宿泊対応も行ったが、学校などの地域防災拠点以外に毛布などの備蓄は少なく、危機管理室では「備蓄が足りなかった」と分析する。
市の備蓄は平常時で毛布11万枚、水缶(350cc)約180万缶、クラッカー約160万食などがある。当日、危機管理室では、金沢区の備蓄倉庫に一時宿泊者用の毛布を取りに行ったが、交通渋滞のため、通常20分のところ5時間を要したという。同室は、「初めから数を増やしたり、備蓄のないところには新たに置いたりと、足りなかったものは何かを見極めて取り揃えたい」と話す。
年度内に修正版
今後は、液状化対策などのハザードマップも市主導で取り組む。計画の見直しについて同室は、「(PT)個々の進行状況があるが、年度内には決めたい」とする。また、財源については、「まずはどんなものが必要かを検討する。そこから試算し優先順位をつけて考えたい」と話している。
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