矢向・江ヶ崎町では、その昔多くの農家が米作りを営んでいた。その歴史や暮らしを伝えようと、自宅で昔の農具や生活用品を収集し、地域の子どもたちに体験させている人がいる。
地域の宝
江ヶ崎在住の鴨志田潔さん(68)は、先祖代々農業を営む。収集を始めたのは、約40年前。娘が通う小学校から、地域の歴史などを話してほしいと頼まれたことがきっかけだった。「教科書だけじゃわからない。実際に道具に触れることで米の気持ちがわかる」と鴨志田さんは言う。以降、学校へ道具を持参しての講演や、地域の街歩きのため自宅を公開するなどしてきた。
収集品の保管場所のひとつである車庫には、明治から昭和に使われていた米作りのための農具や、日常生活用品が所狭しと並ぶ。「親戚や地域住民に声をかけ、あくまで預かっているもの。自分のものというより、地域の宝だと思っている」と誇らしげに語る。
膨大な資料を集め続けてきたのには、先人たちへの感謝の思いがある。「先輩たちがこうした道具を使いながら営んできたからこそ、今の自分たちがある」と、鴨志田さんは語る。
資料室建設目ざす
これまでの蓄積を生かし、鴨志田さんは現在、地域住民らとともに、矢向・江ヶ崎の歴史資料室建設の準備を進めている。「鶴見のことなら何でもわかる資料室を作り、地元の子どもたちのふるさと作りの一助になれば」と意気込んでいる。
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