年金などの社会保障や納税といった個人情報を国民に割り振る番号で紐づけ、情報共有に活用する国の社会保障・税番号制度(マイナンバー)。今年10月から国民への番号通知が始まることを受け、事務主体となる横浜市は準備を加速させているが、なおも周知方法などに課題が残る。
10月通知開始
マイナンバーは、国民一人につき12桁の番号を割り振り、年金や医療保険などの社会保障、確定申告といった納税に関する個人情報を紐づけるためのもの。この結果、これまで複数の行政機関で管理されてきた社会保障の受給状況などの情報を共有でき、行政効率化やコスト削減に繋がる。また、正確な所得を把握することで、不正受給防止などにも役立てたいとしている。
一方国民側は、各種手当等の申請時などに、複数の機関を回らなくて済み、書類添付が不要になるというメリットも謳われている。
番号指定や通知、個人情報の管理などは、法定受託事務として市町村が行う。
番号通知は今年10月から始まり、住民票のある全ての国民に対し、番号を知らせる「通知カード」が郵送される。番号の利用開始は16年1月からで、希望者には個人番号や氏名、住所、顔写真などが記載されるICチップ入りの「個人番号カード」の配布も行われる。
予算4億円計上
制度導入に対応し横浜市は、一昨年春から庁内に委員会を組織。個人情報は、新制度後も分散管理となることから、関係各局でワーキンググループを作るなどして準備を進めている。全体を取りまとめる市総務局しごと改革推進課によると、今後専門部署設置も検討中という。
予算は、今年度、制度対応のためのシステム改修に4億円を計上。来年度は数倍以上になるとみられる。
周知などに課題
導入にあたっては、国民が懸念する個人情報保護や、任意となる個人カードの利用促進、広報周知などの課題がある。
個人情報に関しては「法律による罰則強化や、特定個人情報保護委員会の設置が決められており、事前に保護評価書を公表する」と説明。個人カードの利用促進は、市内で幅広く活用できるようにするなど、市民利点が高まるよう条例整備も検討している。一方で市民への周知は、現段階で広報よこはまとホームページへの掲載、庁内のポスター掲示に留まる。市は、来年度の予算確定後、広報活動を加速させたいとしている。
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