館長として、多文化交流の拠点「鶴見国際交流ラウンジ」の舵取り役を担う 松井 孝浩さん 鶴見中央在勤 40歳
みんながハッピーな町に
○…「館長と言っても、まだまだ鶴見を勉強中」。今年5月、ラウンジを運営する(公財)横浜市国際交流協会に入職後、すぐ就いた館長の職。区史を読み漁るなど、もっか学ぶ日々だ。「下町情緒があり、地縁があっていい町」。見学に行った潮田神社の祭り。外国人と地元の人が飲み交わす姿を見て、町の発展とともに多文化を受け入れてきた土壌を感じた。「鶴見の大きな魅力」と笑顔を見せる。
○…愛知県出身。一度は就職し、会社員として勤務。地元は大手自動車メーカーの工場などがあり、外国人労働者が多かった。「デパートでエレベーターを降り間違えたら、日本語ボランティアを募集している施設があった」。偶然始めたボランティア。コミュニケーションの楽しさを覚え、日本語講師の道が見えた。やらない後悔とやる後悔。やる方を選んだ。英語の勉強にと1年間渡英。留学先でタイの大学での仕事を見つけ現地採用。4年間働いた。
○…妻と保育園に通う長男の3人家族。休日は家族で出かけることが多いという。実は現在、千葉県佐倉市から片道約2時間かけて電車通勤中。「強制的に読書の時間」と冗談めかすも、もともと本好き。今は鶴見を勉強するための時間にちょうどいい。「1日4時間。受験のときより勉強している」と笑う。
○…タイで計6年、フィリピンで3年。「特にフィリピンは、人生がかかっている生徒が多かった」。言語教育の面から、日本の社会で、色んな人が幸せになれる仕組みを作れないか。一講師の限界を感じ、交流協会の門を叩いた。「合わないと『外国人だから』となりがち」。相互理解は国ではなく、人対人。無理に多文化共生を進める気持ちはない。「誤解や行き違いは、直接対話する経験がないから生まれる」。それらは外国人側も同じこと。ラウンジを結び目として仲良くなれる場に。人情あふれる鶴見の町。きっと上手くいく――そんな気がしている。
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