2016年プロ野球ドラフト会議が10月20日、東京都内で開かれ、末吉中学校出身の田中正義投手(創価大4年)が最多となる5球団から1位指名を受けた。抽選の末、交渉権を獲得したのは、福岡ソフトバンクホークス。「1年目から1軍のマウンドに上がりたい」と力強く宣言した。
怪我乗り越え夢つかむ
田中投手の最大の魅力は、最速156キロの伸びのある直球だ。昨年6月に行われた侍JAPAN大学代表と若手プロ選抜との壮行試合では、7者連続三振を奪い、「12球団1位指名するのでは」とスポーツ紙を賑わせた。昨春から昨秋にかけてのリーグ戦では、56イニング連続無失点を記録するなど、対戦相手を圧倒していた。
ところが今年4月に右肩の炎症を起こし、今春のリーグ戦は早々に戦線を離脱。なかなか完治せず葛藤の日々が続いた。創価大学野球部の岸雅司監督は、「投手にとって投げられないことが一番苦しい。交換日記からもそのことが伝わってきた」と当時を振り返る。それでも右肩回りの筋力強化など地道なトレーニングを続け、9月には153キロをマーク。見事復活を遂げ、チームを秋のリーグ優勝に導いた。
ソフトバンクの工藤公康監督からは、「日本を代表するピッチャーになってほしい」とラブコールが贈られた。指名直後の会見で、田中投手は「自分も同じ気持ち。1年目から1軍のマウンドに上がりたい」と抱負を述べた。
原点は駒岡ジュニアーズ
小学校1年生から区内少年野球チーム・駒岡ジュニアーズで野球を始めた田中投手。当時監督として指導した辻本秀樹さんは、「身体能力が高く、あんな子は見たことがない。ピッチャーをやらせたいと思った」と回顧する。負けず嫌いな性格で、「タイムをかけてマウンドに集まると、代えられると思ったのか涙を流すことがあった」と、辻本さんはにこやかに話す。
野球が大好きになってほしいとの辻本さんの願いは、教え子にしっかり届いていた。会見後の囲み取材で、田中投手は「小さい頃から辻本監督の家に遊びに行ったり、よくしていただいた。駒岡ジュニアーズのおかげで野球が好きになった」と目を輝かせて話した。
スナック菓子やラーメンは口にせず、徹底した栄養管理を行っている田中投手だが、例外もある。帰省した際は、必ず家族で上末吉にある「元祖ニュータンタンメン本舗上末吉店」へ行くという。肉料理も好きで、実家では最愛の母が焼肉やしゃぶしゃぶ、豚キムチといったメニューをふるまうという。父親の淳さんは、「素直におめでとうという気持ち。次の目標に向かって頑張って」とエールを送る。
テレビ中継で見守っていた両親に、「家で心配していると思う。ありがとうと伝えたい」と語った田中投手。「『田中が投げるから球場に行きたい』と思われる選手になりたい」と力強く宣言した。
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