本紙は年頭にあたり、神奈川区の昨年の取り組みと今年の展望について、二宮智美区長にインタビューを行った。二宮区長は、第3期区地域福祉保健計画の策定について振り返るとともに、さらなる地域防災力向上と地域のつながりを育むまちづくりに取り組む姿勢を示した。
地域としっかり向き合った1年
――まずは、この1年間の神奈川区政を振り返って下さい。
「神奈川区では、区民の皆様との協働により、地域での支えあいなどの地域福祉の向上を目指して『神奈川区地域福祉保健計画』を策定し推進しています。この計画は、2016年度から第3期目となります。15年は、『支援を必要とする人を必要な支援につなげることができているか』などの視点でこれまでの取組を振り返り、新たな『区計画』と21の地区連合町内会エリアごとの『地区別計画』を策定しています。第3期計画では、『地区別計画』の推進を大きなテーマの一つとして、各地区で3回の懇談会を重ね、課題や今後の取組について話し合いが行われました。
計画の策定においては、地域の皆様や活動する団体の方々などと地域課題等を共有し、それぞれの地区ごとに目指す地域の姿を掲げ、5年間の目標を定めることで、課題解決に向けた取組の方向性などを取りまとめることができました」
――地域防災力についてはいかがでしょうか。
「『重点対策地域』の建築物の不燃化を推進する条例が、15年7月に施行されました。大規模地震時の火災被害が懸念される神奈川区においては、建築物の耐震性の確保や燃えにくい街づくりを進めるとともに、減災のための『自助』『共助』の取組を進めることが喫緊の課題です。
15年度は、地域の共助による初期消火力の向上のため、昨年度に引き続き、消防局と連携してスタンドパイプ式初期消火器具の普及を促進しました。また、『神奈川区共助推進事業』を新たに実施し、地域でかかえる防災上の課題の把握や課題に対応する実践的な訓練の実施を推進しました」
地域防災力向上を推進
――新年の展望として、16年度の重点事業を教えて下さい。
「引き続き、自助・共助による防災・減災の取組みを進め、地域防災力の向上を推進していきます。
感震ブレーカーの普及や家具転倒防止などの自助の取組や、スタンドパイプ式初期消火器具の普及や町の防災組織の活動の充実など、共助の取組を更に進めていきたいと考えています。 また、防災・減災を『自らのことと捉え行動に移す』ために、さまざまな世代に応じた啓発を進めていきたいと思います。4月にリニューアルする防災センターを地域の皆様に最大限活用していただくとともに、中高生の防災意識を高めることも重点的に取組みたいと考えています」
――地域づくり大学校が開校しました。
「各地区の共通の課題である自治会町内会役員の後継者や地域活動者の担い手の育成については、15年11月からスタートした『神奈川区地域づくり大学校』を効果的に運用するなど、地域活動のすそ野を広げるための取組を進めていきたいと思います。
また、多くの区民の方が望まれている『住み慣れた地域で住み続ける』ためには、行政の制度やシステムに加えて、住まわれている方々が『安心感』や『生きがい』を感じられることが大切だと思います。『安心感』や『生きがい』を得るには、人とのつながりが必要だと多くの意見をいただきました。地域福祉や地域防災力を向上するためのベースとなる『地域のつながりづくり』をしっかり地域の皆様と進めていきたいと思います」
住んで良かったと思える神奈川区に
――新年にあたり区民へメッセージをお願いします。
「神奈川区は、活気のある商店街や、実り豊かな農業地域、旧東海道宿場町などの歴史資産や閑静な住宅街など、実に魅力にあふれた区です。
区役所の隣には、区民の皆様の待望の神奈川スケートリンクがオープンし、区内に賑わいをもたらしてくれると思います。また、来年のことになりますが、17年10月には神奈川区制90周年を迎えます。
神奈川区の魅力を高める取組を進めるとともに、安全安心につながる施策の充実や、区民の皆様の健康づくりなどにしっかり取り組み、区民の皆様に、住んでよかったと思っていただける神奈川区を目指して、これからもしっかり区政を運営していきたいと思います」
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