区内菅生の聖マリアンナ医科大学病院(幕内晴朗病院長)を含む県内5つの医療施設の医師ら有志が結成した「臓器提供・移植を考える神奈川の会」が一般市民向けの啓発活動を始めた。改正臓器移植法施行から1年、増加する脳死移植例に、「今こそ正しい知識を」と同会は訴える。
臓器提供・移植の正しい理解と普及啓発を目的に設立された「臓器提供・移植を考える神奈川の会」。
メンバーは、聖マリアンナ医科大学病院、虎の門病院分院(高津区)、昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)、横浜総合病院(横浜市青葉区)、北里大学病院(相模原市)の5医大約30人。脳神経外科・救急の医師と移植医の医師らを中心に、コーディネーター、看護師など臓器移植・提供に関わる様々な分野の人が参加している。
活動内容は関係者向けの勉強会や、ゲストを招いたセミナーなど。5施設連携で提供・移植医療の充実を図ってきたという。
市民向けの啓発活動を始めた背景には改正臓器移植法が施行されて1年、移植が倍増したことが挙げられる。1997年の臓器移植法施行から昨年7月17日の法改正前までの約13年間で脳死者からの臓器移植は86例に対し、改正から1年で同様の症例は55例にもなった。これは法改正で本人の意思が不明でも家族の承諾があれば脳死での臓器提供が可能になったためだ。心臓や腎臓などの提供を受けて手術できた患者は245人に達した。
同会の代表を務める聖マリ医大腎泌尿器外科教授で力石辰也さんは「これからも提供・移植医療の普及は進み、医師が皆さんに臓器提供の意思を問う機会は増えるだろう。臓器提供は多くの命が救えることでもある。だからこそ、我々は事前に正しい知識を伝えていくことが大切」と話す。また、「いろいろな考えがあって当然。断ることも正しい選択のひとつ」と意思の多様性も認めている。
市民向け公開講座は10月15日(土)、県民共済みらいホール(横浜市)で行われる。問合せは聖マリ医大腎泌尿器外科【電話】044・977・8111まで。
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