神木本町の剣道場「之久会」で指導する 岩波 吉雄さん 区内平在住 60歳
剣ひと振りに心を込める
〇…区内神木本町にある剣道場「之久会」(しくかい)で少年少女をはじめ、多くの後進を指導する。昨年10月、米国オクラホマ州タラソ市に招かれ、現地で剣道指導した功績により、同市から名誉市民の表彰を受けた。「自分は剣道しかできないから」と笑顔で話す。
〇…国際審判として海外での指導経験もあり、「日本で暮らす外国人が、わざわざインターネットで調べて門を叩いてくれる」。欧米で剣道への関心は高く、「騎士道と剣道はつながるものがある。それは相手を敬うという精神」。道場には少年少女のほか、社会人も数多く通う。「互いに切磋琢磨しながら技を鍛え、厳しい稽古で自己を鍛える。ここぞという場面で踏ん張れる強さを剣道に求める社会人は多い」
〇…剣道歴は50年。身体が弱かったこともあり、親の勧めで始めた。身長180cmを超える恵まれた身体は「親に感謝。でも剣道は50年経っても全然強くなれない」と謙そんする。現在の段位は7段。8段の昇段試験は7段取得から10年経過しないと受験できないが、「3年連続で落ちている」とニコリ。昨年は900人以上受けて合格者はわずか4人。「子どもたちに級や段を受けなさいと言っている自分が受けなかったら笑われる。落ちてもいい。幾つになってもチャレンジしていきたい」と生涯現役を誓う。
〇…昨年3月に神奈川県警を退職。現在は、有馬交番で相談員を務めている。「警察官になって初めて人や社会の役に立てる仕事のやりがいを感じた」。好きな言葉は「一剣志在」。文字通り、ひと振りの剣に気持ちを込める。趣味はスポーツダンス(競技ダンス)。夫婦で15年以上前から続けている。腕前もかなりだが、こちらは指導される側。「教わる立場になると、指導者の教え方の大切さが分かる」と話す。「剣道のおかげで姿勢は良いと言われるんだけど、動くとグニャグニャ。難しいけれど、だからこそ楽しい」
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11月22日
11月15日