市内鉄道駅放置自転車 9時台最多は二子新地 午後4時台は溝口
川崎市が6月に行った市内鉄道駅周辺の自転車等の利用実態調査がこのほど発表され、午前9時台の放置台数は二子新地駅、午後4時台は溝口駅(JR・東急)が最多だった。駐輪場利用数と放置台数の合計では午前9時台、午後4時台ともに最多がJR川崎駅。以下、溝口駅、武蔵小杉駅(JR・東急)と続いた。
調査は市内の鉄道駅と市民の利用が多い矢向、鶴川両駅を対象に自転車等(自転車、原動機付自転車、自動二輪車)の利用実態を把握するために毎年行われている。
調査日は6月の平日。昨年度までは午前9時台のみの調査だったが、今年は午後4時台も追加した。近年は昼間の買い物客による自転車放置が目立ち、社会的な課題にもなっているからだ。内閣府の隔年調査や慣例により、放置禁止区域指定駅周辺では駅から半径500メートル、その他の駅では300メートルを調査範囲とした。
利用増加率は過去7年で最高
結果、市全域における午前9時台の駅周辺の自転車等利用台数は7万966台で、前年度に比べ3160台(約4・7%)増加した。平成17年度以降でみると、増減はあったものの最も高い増加率となり、市では「3月の震災により自転車利用が見直されていることも要因の一つ」と分析している。
9時台の放置自転車台数は9516台で、前年度と比較し229台(約2・3%)減少した。
午後4時台の利用台数は7万5276台、放置台数は1万4407台となり9時台より多く、それぞれ4310台(約6%)、4891台(約51%)の増。朝の通勤・通学利用に、買い物利用が加わっていると考えられる。
駅毎にみると、午前9時台の二子新地駅の放置台数は816台。武蔵新城駅の787台、川崎大師駅の681台と続いた。二子新地駅は平成21年度調査では5位だったものの、昨年度もワースト。放置禁止区域化の必要性が叫ばれている同駅周辺の課題が浮き彫りになった。
一方、初めて調査が実施された午後4時台の放置台数では1300台の溝口駅がワースト。次いで武蔵新城駅1212台、京急川崎駅1049台だった。二子新地駅は908台で5番目に多かった。
買い物客の放置も顕著
溝口駅周辺では昼間の買い物客による放置自転車が多い実態が示された格好だが、対策として周辺への駐輪場整備のみでは不十分な面もある。市担当者は、本来は目的施設に駐輪場があるべきとしながらも「まずは今回の調査結果を分析した上で、今後、午前中と合わせ、昼間利用層の放置自転車対策も強化していきたい」と話す。
なお、二子新地駅周辺では現在、駐輪場の整備が進んでおり、完成すれば放置禁止区域に指定される見通し。指定時期は未定。二子在住の男性(43)は「(二子新地駅周辺の放置自転車は)特に駅前がひどく、車がすれ違いできない。早く放置禁止区域に指定してほしい」と話す。
市域長年の課題にもなっている放置自転車について、担当者は「これからも駐輪場への誘導や撤去により放置を抑止していきたい。禁止区域未指定駅については、指定に向け動いていきたい」としている。
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11月22日
11月15日