ニヶ領用水の清掃活動が150回を超えた「ニヶ領用水ウォッチング・フォーラム」の代表を務める 阪口 拓造さん 下作延在住 75歳
きれいな水のある街へ
○…約400年前に多摩区から幸区までを結ぶ農業用水路として作られ、区内では桜の名所として親しまれているニヶ領用水の定期清掃を仲間と続け足かけ8年、150回の節目を超えた。きっかけは「貴重な遺産の汚れがひどかった」こと。水路に投棄された缶やペットボトルなどを回収し、時には水の中に入りごみを集める。「最近では地域の人が応援してくれるようになった。『きれいになったね』と声をかけられると疲れも吹き飛ぶ」と笑う。
○…来年4月に結成10周年を迎える。「水の流れを眺める(ウォッチング)」「みんなで話し合うことで、見方が何倍にも広がる(フォーラム)」という意味で命名し、7人で発足させた。現在は約50人で活動を行い、「私の気ままな性格が長続きした理由かな」と分析。「会員にはあれこれ求めない。みんなの自主性を尊重することが大事なんです」と言い切る。
○…和歌山県で生まれ育つ。生命保険会社に勤めていたサラリーマン時代には全国を飛び回り、定年後に高津に移り住む。4人の孫と遊ぶのが楽しみのひとつ。「全員女の子なんだよ」と目を細める。昨年にはニヶ領用水竣工400年を機に作詞に挑戦。知人に作曲をしてもらい「ニヶ領用水四百年の歌」が完成、近々お披露目をする予定になっている。「満足するものができた。皆さんに歌っていただけたら嬉しい」
○…「子どもたちが安心して水遊びができるニヶ領用水にしたい」。清掃活動と同時に水質検査と浄化も試みる。現在は久地円筒分水の水中に、竹炭や浄化作用のあるEM菌という微生物をだんご状にして置き水質改善を進めている。夏休みに子どもたちと一緒に掃除した際に「ごみが取れて気持ちが良かった。誰がごみを捨てるんだろう?」という声に感動を覚えた。「ごみが無くなれば清掃を続けなくていいんです。きれいな水、街を維持することが私たちの役目です」
|
|
|
|
|
|
11月22日
11月15日