市民基金を設立して市民活動を財政的に支援――。こんな仕組みを普及させようと、市内の市民グループが財団法人の設立を目指して準備を進めている。高齢者や障害者、子育て支援などに取り組む活動の資金づくりに新たな風穴を開けようという試みだ。
「現在の市民団体は資金集めや人材の確保など、負担も多く消滅してしまう団体も少なくない」
そう話すのは「かわさき市民しきん」設立準備会代表の広岡希美さん。同会は、市民活動を支援するNPO法人ぐらす・かわさきの講習会をきっかけに大学教授やNPO法人関係者、学生ら11人が集まり、今年6月に発足した。
同会が立ち上げる基金「かわさき市民しきん」では3つの寄付の仕組みを提案している。「テーマ提案型プログラム」は寄付する市民側の提案を取り入れながら、市民の課題解決を支援する仕組み。寄付だけでなく、活動への市民参加を促す目的もある。「事業指定プログラム」は寄付の対象となる活動を基金側が市民に広報し、市民側が共感した活動に対して寄付する仕組み。「冠(オーダーメイド)プログラム」は活動やイベントの名称に寄付する市民や企業の思いを反映させる仕組みで、地域貢献の積極的な企業からの協力を得たい考えだ。
「市民しきん」を普及させるため、市内で定期的にイベントを開催し、専用ウェブサイトの運営にも取り組むという。来年4月を目途に寄付金に税制上の優遇措置が受けられる公益財団法人の設立を目指す。当初の運営資金として約500万円集めたいという。
広岡代表は「市民活動を応援したいがどこに寄付していいかわからないという潜在的な寄付者や身近な暮らしの充実のためにお金を使いたいという方を掘り起したい」と話している。
会議所で設立イベント
同会は10月5日(日)に設立に向けたイベントを川崎商工会議所で開催する。午後2時から4時まで。参加費は無料だが申込みが必要。先着100人。講演会のほか、事業計画の説明なども行う。
問い合わせは同準備会【電話】044・872・9325。
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