意見広告 未来に投資する社会の実現を 前川崎市議会議員 ほりぞえ健(けん)
全国的には比較的元気な川崎市でさえ、財政状況は厳しさを増しています。市民一人当たりの予算額が年々減る中で、高齢化対策や子育て支援策の強化をはじめとする公的サービスは、量と質の両面で充実強化が求められています。
こうした中「厳しい状況も行革を徹底しさえすれば打開できる」といった議論もよく耳にしますが、本当にそうでしょうか。
川崎市ではこの十数年間、行財政改革を最優先に取り組んできました。その努力の結果、たとえば職員給は3割減り、今では予算総額約1兆3千億円の1割以下となっています。仮に職員給をさらに半減させたとしても、それで浮く財源は高々全体の4%程度であり、急増する福祉予算を考えれば、文字通り「焼け石に水」でしかありません。
他方で、すでに日本の公務員数は、いわゆる先進諸国の中で最低レベルにまで少なくなっています。野村総合研究所の調査によると人口千人当たりの公務員数(国防関係を除く)は、アメリカは日本の1・8倍、ドイツは1・7倍、イギリスは1・9倍、フランスは2・2倍となっています。公務員を減らし給与を削減すれば簡単に問題が解決するかのような主張は空論にすぎず、もっと地に足をつけた議論が必要であると思います。
すべての市民が生涯にわたって安心して住み続けることができる川崎市の実現は「必ず達成しなければならない」課題です。そのためには、まずは厳しい現実を直視し、川崎市がどうなっており、私たちの努力でどうなりうるのかを丁寧に考え、実行に移さなければなりません。
問題を先送りすることで未来を食い潰すのではなく、未来に投資する社会を実現することは、今に生きる私たち大人の責務であると、私は思います。
|
|
|
|
|
|
11月15日