県予選を1位通過し、6月のアマ竜王戦に挑む 三宅 潤さん 末長在住 28歳
目の前の一局丁寧に
○…「まずは県の代表を目指していたので、とりあえずほっとした」と安堵の表情を見せる。「厳しい戦いが続いた」と言う今大会、初戦が山場だった。持ち時間を使い切り、1時間半に及ぶ戦いに競り勝った。将棋は何十手も先を常に読み、枝分かれする様々な局面に対応する。「自分が想像もしなかった手が来ることがある。どんな手が来るのかワクワクする」と将棋の魅力を語る。
○…生まれは東京都国立市。将棋を覚えたのは6歳の時。児童館の将棋教室で習った。すぐに「もっと強い人と指したい」と名門将棋クラブの門を叩いた。プロ棋士を目指す同世代に刺激され、棋士を養成する奨励会に中1年の時に入会。実力勝負の厳しさを味わってきた。プロ棋士になる手前の3段リーグに6年間挑戦。「勝負が怖い時もあった」という。だが、対局は絶対に休まなかった。規定の年齢制限でプロを断念したのは3年前。「何も考えられなかった期間」が続いた。再び将棋と向き合えたのは、「将棋と応援してくれた人と縁を切りたくない」という思いがあったからだ。
○…高校卒業後は大学へ進学。欧州の文化や歴史を学ぶ授業が好きだった。「チェスをして単位が取れる授業で。先生や仲間とよく飲みに行って楽しかった」と懐かしむ。もちろん付き合いは今も続く。趣味はヨーロッパサッカーの観戦、カラオケ、読書も好きだ。特に日本代表、長谷部選手の自伝に感銘を受けた。「一流の選手がどんな気持ちで試合に臨むのかなど、勉強になった」と多くを学んだ。
○…奨励会退会後、職業訓練校を経て都内のビルメンテナンス会社に勤務している。朝は7時半前に家を出て満員電車に揺られる。「慣れないことだらけ。でも与えられた仕事をしっかりこなしたい」。丁寧に取り組む姿勢は将棋で培った。アマ竜王戦は上位4人がプロ棋戦へ参加できる。挑戦権を見据え、「目の前の一局をしっかり指していく」。
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3月28日