社会人落語家として、「風林亭飴治郎」の高座名で「やかん寄席」を開催した 保坂 千秋さん 下作延在住 40歳
知識を総動員、地域に笑いを
○…落語を始めてまだ1年。普段は精密機器メーカーに勤める会社員が先月、てくのかわさきで「やかん寄席」を初めて主宰した。「寄席を自分でやってみたい」と、今までに見聞きした知識を総動員。落語仲間の協力を得て開催できた。当日は定員をはるかに超える市民が集まり大盛況だったという。「地域に笑いを提供できたと、開催してみて実感した」と、社会人落語の可能性を見いだした。
○…友人の素人落語を見たことがきっかけだった。「自分にもできるんじゃないか」。人前で話して笑いを取ることに興味を持ち、市内で活躍するアマチュア落語家の教室に入門。見よう見まねで練習する日々が始まった。休日や通勤途中にプロの落語を何度も見直し、家では妻に、時には飼い猫を相手に練習した。昨年3月には高座に初出演。大勢の前で話す経験は初めてで「緊張でガチガチになった」が、客の拍手、笑い、「面白かったよ」という声に感動した。「こんなに楽しいんだと、初めて落語の魅力を知った」。
○…「今までインプットしてきたものをアウトプットできるところにはまった」と、この1年は自分の満足を目指して落語を披露してきた。だが、「やかん寄席」の開催を通して意識が変わる。自分で企画し、準備した寄席で笑ってくれる人たちを見て、「好きだからやっている、ではすまされない」と思ったという。「地域の一つのイベントとして、楽しみにしてもらえるようにしたい」。人や地域を喜ばせるために落語をする。新たな目標が生まれた。
○…高座名は「風林亭飴治郎」。「風林火山」で有名な出身地の山梨県と、「アメ」という愛猫の名が由来。「猫のようにしなやかで、みんなに愛される落語をしたい」。趣味はマラソンで、毎年何回も大会に参加する。「一人で練習を重ねて本番を迎える点は落語と一緒」と感じている。これからも座布団だけを持ち、地域に笑いを届けることに奔走する。
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1月17日