何としても勝ちたい――。チーム全員の思いが結実した。60歳以上の選手が参加する第32回全日本還暦軟式野球選手権大会が10月1日〜4日、群馬県内で行われ、神奈川県代表の「川崎ドリーム(下村弘孝代表)」が4年ぶり3回目の優勝を決めた。還暦を過ぎているとは思えない活力あふれるプレーで、最高の結果を出した。
川崎ドリームは結成18年目。同大会には15年連続で出場しており、2009年、12年にも優勝している強豪チームだ。市内在住の60歳以上の選手が参加し、全国の頂点を目指して週1回の練習に取り組んでいる。
決勝戦は宮城県代表の宮城ドリームズを9―4で下し、栄光を勝ち取った。中村宏二監督(74)は「選手たちを信頼してやってきた。監督としての嬉しさを感じるし、ありがたい」と喜びを語る。キャプテンを務めた皆川修選手(66)は、5月に心筋梗塞の手術を受けながらも復帰を果たし、優勝を体感。「この上なく幸せな1年」と笑顔を見せた。
この大会は決勝戦まで、4日間で6試合を戦う日程。各チームも最後は体力勝負になるが、中村監督は「初戦に勝てたことが全て」と話す。エース・伊波興治選手(61)の力投で完封勝ちを収め、チームは勢いに乗ることができたという。
周囲から「鉄腕」と言われる伊波選手は全試合に登板。テンポよく投げ抜いて優勝に大きく貢献し、大会の最優秀選手賞を受賞した。「1年間練習して体力をつけてきた。何としても勝ちたいという思いがあった」と振り返る。
チームの原動力となっているのは勝利への思いとチームの団結力だ。「勝利してみんなで良い思いを分かち合おう」と一致団結。声を張り上げ、全力で白球を追う姿は少年のようだ。下村代表も「レギュラーもベンチ組も一体になって試合に参加した。チームワークの勝利」と目を細める。
「ここで終わらない。連覇を目標に切磋琢磨していきたい」と中村監督。あふれる意欲は衰えるところを知らない。
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