「玉川絵図」が記念看板に 多摩川の歴史ひも解く貴重な資料
宿河原の旧家で発見
多摩川の歴史を記した貴重な古地図を一般公開に――。宿河原の旧家で見つかった300年ほど前の多摩川や二ヶ領用水を記した古地図「玉川絵図」が記念看板として同用水沿いに建てられることになった。あさって26日(日)、除幕式が開かれる。
「玉川絵図」が見つかったのは宿河原で20代以上も続く旧家、元木茂さん(78)の自宅の納屋。宿河原町会の記念誌を作成しようと、編集に携わった戸田賢一郎さん(70)が12年前に発見した。
この絵図は享保(1716年〜1735)から宝暦(1751〜1763)頃のものと見られる。2人によると、元木さんの先祖で「佐源太」と呼ばれた人物が記したものではないかという。
大きさはA3サイズより一回り大きい程度。宿河原周辺を描いており、当時の多摩川は現在の宿河原駅よりも南側を流れている。
「古文書や寺の棟札に書かれていることが絵図によって裏付けられた」と戸田さん。
八幡宮は洪水によって流されて現在地に移り、元々は現在の二ヶ領用水にかかる八幡下橋近くにあったと考えられるという。絵図からは川の洪水を抑えようと当時から様々な工法が施されていたことや、用水の取水口が現在の緑化センター近くにあったこともわかる。
元木さんは「貴重なものが見つかって嬉しかった。その宝を残しておかないといけない。戸田さんに見つけてもらい、生かすことができた」と話している。
記念看板の設置は二ヶ領400年プロジェクトの一環。同プロジェクト実行委員会や稲田郷土史会、宿河原堤桜保存会、県立向の岡工業高校の協力を得て、絵図には現在の航空写真や解説、訳をつける。設置場所は緑化センター近くの八幡下橋付近。26日の除幕式には阿部孝夫市長も訪れ、設置を祝う予定。時間は午前10時30分から。
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12月20日