稲田公園で高い放射線量 出所不明の汚泥からセシウム
川崎市は先月25日、稲田公園(菅稲田堤)の汚泥から高いレベルの放射線量が検出されたと発表した。汚泥は人為的に置かれたものとみられるが、その経緯は特定できていない。なぜ、検出されたのか、市職員も困惑している。
市民グループ「ピース・アンド・スマイル・プロジェクト・カワサキ」が測定したところ、高い値が検出され、市に連絡したという。
市の測定結果で児童プールの管理棟脇の汚泥から放射性セシウムが検出された。政府の原子力災害対策本部が示した処分できる濃度(1キロあたり8千ベクレル)の2倍を超える1万6500ベクレル。市は立入禁止と掲示し飛散を防止するシートで汚泥を覆い隠した。25日から児童プールの利用を禁止した。
中原区の平間公園で高い線量が検出されたのは落葉が集められた腐葉土だった。稲田公園の場合は人為的に置かれたものとみられ、市建設緑政局公園管理課によると、関係各所の聞き取り調査を行ったが、「汚泥が置かれた経緯は分からない」としている。汚泥は市有地に保管する方針だが、基準値を超えているため移動させる目処が立っていないという。
公表されてから4日後の29日夕方、30人ほどの親子が訪れていた。プールの入り口には「当面の間使用禁止にします」との張り紙が貼ってあるものの、理由は明示されていない。
幼い子どもを連れた母親は「口にさえ入れなければ大丈夫と思っている。めいっぱい外で遊ばせてあげたい」。一方、「放射性セシウムが出ているなんて全く知らなかった。もっと情報を示して欲しい」と話す母親もいた。
市の担当者は「不安をあおらないように配慮している。立入禁止区域の外なら空間線量は基準値内に収まっている」と説明する。
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11月22日