西生田のマンション問題 差し止め求め 仮処分申請 近隣の女性「日照権侵害」
「日照権が侵害される恐れがある」などとして、西生田1丁目に住む70代の女性2人が、マンション建設の計画を進める建築主を相手取り、横浜地方裁判所川崎支部に建設差し止めの仮処分を申し立てた。22日、女性2人と代理人の弁護士が市役所で記者会見を開いた。
問題となっているのは、東京都練馬区の建設会社が西生田1丁目に建設を計画しているマンション。建築基準法や都市計画法などの制度には合致している。
2センチで規制逃れ
申立書などによると、マンションは地上3階地下1階建て、高さ9・98メートル、敷地面積約1335平方メートル。建設地の大半が都市計画法上の近隣商業地域にあたり、申し立てた女性2人の自宅は第1種低層住居専用地域にあたる。
女性や代理人らが問題視しているのが、規制を逃れるための高さ。建設地は制度上、10メートルを超える高さのマンションを建てることが出来るが、斜線制限がかかるため、建物の上部を切り取るような構造としなけばならない。女性や代理人は「規制を逃れるため2センチ下回る計画にした」と指摘。そのため、女性2人の自宅南側に高さ約10メートル、幅60メートルの建物が位置することになる。
記者会見で女性は「うちの家族は未来永劫、日が当たらなくなる」「まさかこんな計画通りに進めるとは思わなかった」などと訴えた。代理人の日置雅晴弁護士は「2センチ低くしただけで守られるべき範囲を大きく超えている。こうしたケースは時々あるが、こんなに被害が及ぶケースは少ない。日照権の侵害は民法上、違法だ」と話した。
申立書では「川や水路に囲まれた当該地はゲリラ豪雨の際、地下住宅が水没する危険がある」とも指摘している。
この計画を巡っては、市民団体が請願を提出し、川崎市議会まちづくり委員会で取り上げられた経緯もある。各会派や市側が問題視する動きもあったが、計画の変更はなかった。
|
|
|
|
|
|
11月8日