
念願の世界タイトル戦に向け、厳しい練習に取り組む三好選手
川崎新田ジム(多摩区登戸)所属の東洋太平洋女子バンタム級チャンピオン三喜美佳選手が6月29日、メキシコで国際ボクシング連盟(IBF)の世界タイトル戦に挑戦する。日本ボクシングコミッションがIBFに加盟して日本人初の挑戦で大きな注目が集まる。
三好選手は山口県出身の29歳。22歳の時にテレビ番組の影響でボクシングに憧れ、プロボクサーをめざしたという。厨房機器のメンテナンス会社に事務職として勤めながら同ジムに通い、頭角を現してきた。
これまでの戦績は14戦8勝(3KO)5敗1分。今年2月に等々力アリーナで開かれた東洋太平洋バンタム級タイトル戦で東郷理代選手を2対1の判定で下し、ベルトを奪取したばかり。スタミナを武器に壮絶な打ち合いを繰り広げて念願の王座を獲得した。
「こんなにも早くチャンスをもらうことができて嬉しい。声をかけてくれる人が多くなり、期待されていることを感じている。応援してくれる人に恩返ししたい」と三好選手。
今回の対戦相手はIBF世界女子バンタム級チャンピオンのヤズリン・リバス選手(メキシコ)。38戦27勝(KO)7敗という強敵。試合会場のメヒコアリーナは標高2200mという高地でスタミナを武器にする三好選手にとって厳しい条件。それでも「息が苦しくなることを想定してマスクをつけて練習している。相手は自分と同じスタイル。同じことをしても勝てない。気持ちを前面に出して戦いたい」と意気込む。
日本ボクシングコミッション(JBC)はこれまで、世界ボクシング協会(WBA)と世界ボクシング評議会(WBC)の2団体のみを承認していたが、今年4月にIBFと世界ボクシング機構(WBO)も正式に承認し加盟した。三好選手はIBF加盟後、日本人として初めての世界戦になる。
新田渉世会長は「大きな注目を浴びているなか、一番手でIBFのタイトルを獲りたい。女子ボクシングの裾野を広げていく意味でも大きな役割がある」と話している。