多摩区内の長尾台地区で1日、地域住民が主体のコミュニティバスの試行運行が始まった。3カ月の試行中、事業採算性が見込めれば、本格運行に踏み切る計画。高台に住む住民にとって念願の足の誕生となるか。
「このあたりにはバスが来ず、歩こうにも高低差が大きいので陸の孤島という状態。この試行運行に運命がかかっている」と話すのは、「長尾台コミュニティバス交通導入推進協議会」の児井正臣会長。
長尾6丁目を中心とした同地区は、昭和40年代に開発が進んだ丘陵地に位置する住宅地。既存のバス停は離れた場所に位置し、30メートル以上の高低差がある。住民の高齢化が進み、地域の交通を確保しようと、08年に住民らが協議会を発足。11年には運行実験を実施し、本格運行をめざして検討を積み重ねてきた。
今回の試行運行は実験結果を踏まえて、再度検証するのが目的。地区内の妙楽寺と登戸駅、久地駅を結ぶルートで12カ所に停留所を設置した。平日は1時間に2、3本のペース、土曜日は1時間に1、2本のペースで運行する。運賃は全区間共通で大人200円。子どもや70歳以上の高齢者は100円。10枚つづりで販売。バス内などで購入できる。乗車定員は25人。バス利用者には久地駅前通り商栄会の店舗で割引などのサービスが受けられる特典もある。
事業の採算がとれると判断されれば、最短で来年夏に本格的に運行する計画。本格運行の場合は車両購入費が市から助成される。(株)高橋商事が運行事業を手がける。
事業採算の目安は1日400人の利用という。本格導入になれば、住民主体のコミュニティバスの運行は麻生区高石に続いて市内3例目となる。
児井会長は「目標までの乗車人数を車内に掲示することで、乗客の皆さんも巻き込んで協力してもらう。今回でダメなら次はないという強い気持ちで取り組んでいる」と話した。
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