「多摩区・3大学連携協議会」に所属する日本女子大学は、4年後に西生田キャンパスの全学年を目白キャンパス(東京都文京区)に一斉移転、統合する。学内の教職員や附属中学校、高校の代表者による「西生田キャンパス構想部会」では、校地の利活用や地域連携事業について協議が進められている。
2カ所のキャンパスに4学部と5つの大学院研究科を置き、2021年4月に創立120年を迎える同大学は、記念事業の一つとして目白キャンパス整備を計画。家政学部、文学部、理学部の3学部と4つの研究科に、西生田キャンパスの人間社会学部と人間社会研究科が新たに加わる。
人間社会学部長で構想部会代表の小山聡子教授(60)は「幼稚園や小学校での体験型学習(サービスラーニング)、通所型施設でインターンをさせてもらうなど、地元のさまざまな場面で学生がお世話になっている」と話す。
整備に伴い、西生田の学生約2100人と教職員約70人は目白に移る。現存のグラウンドは残す予定で、校舎や地域住民らに公開講座を開いている生涯学習センターについては未定。移転後の校地の利活用については、今後も存続する隣接の附属中学校、高校の運営に配慮しながら検討していく。
3大学と区で連携
区内にキャンパスを構える日本女子大、専修大、明治大と川崎市(多摩区)が協定を結んで2005年に発足した「多摩区・3大学連携協議会」では、地元住民や商店と協力して課題解決に着手。年度末には各大学の学生らによる活動報告会を区庁舎で開いている。
日本女子大の学生グループは2012年から2年間、高齢化が進む寺尾台団地で全世帯にアンケート調査を実施。ハロウィーンなど交流イベントを行い、現在も年1回ペースで交流企画が続いている。昨年度からは区の取り組み「ピクニックタウン多摩区」に学生有志「サクラボ」が参加。生田緑地と西生田キャンパスを舞台に、商品開発やイベント企画を実現している。
日本女子大の取り組みに対し、同協議会の事務局を担う区企画課は「地域と協働しながら、住み続けたいと思えるまちづくりに積極的に取り組んでいる。多摩区を支える貴重な財産の一つ」としている。
同大学の西生田総務課は「学生が学内だけでなく、まちに出て地域交流することで幅広い世代と接点を持ち、学べるのは大きなメリット」と指摘。小山学部長は「地域の方々への感謝を忘れずに、4年後までの活動は一つずつ丁寧に整理しながら仕分けていきたい」と方針を示している。
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