まちを見守り育んできた商店街も大型店の進出や社会状況の変化により経営の厳しい店舗が増えている。登戸の区役所通り登栄会商店街では時代の変化にどう対応しているのだろうか。安陪修司理事長が話した。
小田急線の向ヶ丘遊園駅北口と多摩区総合庁舎を結ぶ1本の通りが区役所通り登栄会商店街だ。
登戸地区で一番の歴史を誇り、終戦後の人口増加とともに発展していった。最盛期には約80店舗も軒を連ねていたが現在は50店舗と縮小傾向にある。さらに昭和63年に川崎市が決定した登戸土地区画整理事業により、商店街自体の存続に危機感を持つ店主が多いという。
同事業は急速な市街化による環境悪化を土地の整備を図ることで安全で快適な地域にしようとする内容だ。「このあたりは早くて10年後に一部分が着工される予定」と話す安陪さん。道幅は現在のままで建物が取り壊された後、新たに建て直すという。
「立ち退き料は市からもらえるが、建築費用には足りない。仮住まい中は商いができないし、これを機に店を閉めようという人も出てきている」。ひとまず立ち退いて空きスペースを駐車場に活用する「様子見」派も増えているという。
「人情接客」で勝ち抜く
厳しい状況が続く中、活路を見出そうと始めたのが「店で気楽に話ができる人情接客」だ。椅子を用意して買い物に疲れた客が休めるスペースを設けたり、情報誌「You縁Times」を配布して会話のきっかけを作ったりと工夫を凝らす。
月に一度は勉強会も開く。「多摩区総合庁舎に訪れる人々のニーズを探って顧客化していきたい」と意気込む。
好立地ゆえ大手企業から土地借用の依頼も頻繁にあるが、「この商店街は昔からある。なくすわけにはいかない」と顔を引き締めた。
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