中原区新城ダンウェイ(株) 障害者に就労の場を 専用HPソフトを開発
区内新城で就労支援を行っているダンウェイ(株)(高橋陽子代表)は、大手半導体メーカーインテル(株)と協働で障害者がホームページを制作できるソフトを開発した。このソフトを使った同社の事業展開が、障害者の自立に貢献するとして、このほど市の「かわさき起業家大賞」にも選ばれた。
今回開発されたソフトは「ICT治具(じぐ)」と名付けられ、加工や組み立ての際に分かりやすく誘導する器具の総称である治具の発想が組み込まれており、ホームページの制作に必要な作業をソフトの手順に沿って行えばパソコン特有の専門プログラムを使わなくても、ホームページが完成する仕組みになっている。数字や信号機のカラーで誘導するため作業がわかりやすく、写真や文章など工程を分業すれば、一人ひとりの能力に合わせて作業が出来る。ダンウェイがソフトの操作方法などを企画し、インテルがソフトウェア化を担った。インテル(株)イノベーション事業本部江頭靖二統括部長は「障害のある人にとってICT機器などはまだまだ使いづらく活用できていない。今回ダンウェイと協力して作ったICT治具が障害を持つ方の可能性を広げ、生活の向上に繋がることを期待している」とコメント。
ソフト開発の背景には、障害者の厳しい就業状況がある。厚労省によると障害者の15歳から64歳で就業しているのは約24%で、76%が就業していないか、保護的な環境で仕事をする福祉的就労者だという。高橋代表は「将来を見据えた際に、障害者の働力は重要なものになる。地域や社会で活躍できるチャンスを作りたかった」と話している。
ダンウェイ(株)は2011年1月に設立。発達障害の子どもをもち、これまでに社会的弱者がスムーズに社会参加できるように「ひまわり〜ノーマワールドの会」の代表としてボランティア活動を行ってきた高橋陽子さんが就労支援を目的に立ち上げた。元教師や福祉ボランティアの経験がある10人のスタッフが障害者の教育や企業とのマッチング、チラシやポスターの制作など就労を支援している。高橋代表は「今後も障害者が自立し正規雇用できるようサポートしたい。自立できることが証明できるようあえて結果が求められる法人にしましたしね」と話した。
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11月15日