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掲載号:2012年10月12日号
川崎市議会は3日、自民、民主、公明、みんなの4会派で構成するプロジェクトチームが議員提案した「川崎市子どもを虐待から守る条例」案を賛成多数で可決した。施行は来年4月1日。同様の条例は県内で初。
条例は、児童虐待防止法など既存の法律を補完する位置づけで、虐待を受けた子どもが市外に転出する場合の情報伝達や、職員の研修を含めた区役所の体制強化、学校や病院などの関係機関との連携強化、保護者に対する再発防止の指導などが規定された。また、実父・実母以外からの虐待が増えていることを受け、保護者の交際相手や同居人の虐待も対象と記した。
同条例が提案された背景には急増する虐待件数にある。川崎市では、児童相談所で受けた児童虐待に関する相談・通告件数が、07年度493件、08年度724件、09年度751件、10年度1047件と増加傾向にある。また、虐待者も実父359件、他の父59件、実母606件、他の母10件(10年度)と対応が急務だった。市こども局では「市民の関心が高まったことにより通告件数が増えていることもあるが、実際の虐待そのものの数も増えている。しっかりと対応する必要性が示された」と話している。
川崎市議会の4会派では「年々増える虐待から子どもを守るために」と今春、プロジェクトチームを結成。その後、4月に同様の条例をすでに定めている大阪府、大阪市、堺市を訪問。その条例などを参考にしながら、市関係各局と条例案を作った。同プロジェクトチームは「施策を推進し、子どもの安全と健やかな成長が守られる社会の形成に寄与できれば」とし、市こども局では「条例をふまえてより一層虐待防止に取り組んでいきたい」と話した。
大阪府では2011年2月、堺市では同年6月から「子どもを虐待から守る条例」を施行。どちらも一定の成果が見られている。
大阪府では条例に集合住宅の管理者との連携を強化する内容が組み込まれており「管理会社が積極的に動いてくれるようになった。各集合住宅で手順書を作成したり、具体的な対応策を掲載したチラシを作り、全世帯に配布してくれる管理者も出ている」としている。堺市では、「施行してまだ1年少々、虐待が減るなどの目に見える効果は分からないが、啓発としての効果はある。昨年8月に条例が施行したことを周知したところ相談所への相談も増え、市民への関心を高めることができている」と話し、今後は条例に基づいて対応を強化していくとしている。
2011年10月28日号