小杉で「セアカゴケグモ」発見 市内で拡散の可能性も
毒を持ち海外では死亡者も出ていることから、特定外来生物に指定されている「セアカゴケグモ」が、8月26日に中原区小杉町で発見された。市内では平成24年11月に多摩区長尾で初めて発見され、今回が3件目。区役所保健福祉センターでは注意を呼び掛けている。
今回発見されたのは、小杉町の屋外消火器置場。近くの住民が見つけ「なんとなくセアカゴケグモだと思った」と、翌日に保健福祉センターに報告。同センターで調べたところ、セアカゴケグモと判明した。保健福祉センターでは「1匹いれば周囲にも潜んでいる可能性があるので注意が必要。発見した際には、むやみに触れないで当センターに連絡してほしい」と話している。
セアカゴケグモは、毒を持ち人の生命を脅かすことから、特定外来生物に指定されている。全体が光沢のある黒色で、腹部の背面に赤色の縦じわがあるのが特徴。成熟した雌の体長は約0・7〜1cmで、雌のみが毒を持ち、日本では死者は出ていないが原産地のオーストラリアでは死亡者が確認されている。暖かい場所を好み、6月から10月にかけて活発になり、地面や人工物の窪みや穴などに巣を作る特性がある。
駆除する際には、手袋などで防具し、家庭用殺虫剤(ピレスロイド系)か、熱湯をかけることが望ましいという。もし噛まれた場合は、局所の疼痛や熱感、痒感などが生じ、時には頭痛や筋肉痛、不眠が数週間継続することもあるというが、「いずれにしても早急に医療機関に相談してほしい」と保健福祉センター。
これまで、国内では岩手県や鹿児島県など26府県で発見されており、環境省外来生物対策室では「港湾地域やその周辺で多く発見されている。海外からのコンテナ等に付着してきた可能性が考えられる」と話す。 また、国内で広範囲に広がった理由については「自然に拡散したことも考えられるが、貨物や自動車などに営巣したものが各地に広がったのではないか」と見ている。
セアカゴケグモの相談・問い合せは、中原区役所保健福祉センター衛生課(【電話】044・744・3280)まで。
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