宮内の住民 遺体保管所建設に「反対」 事業主からの説明はなし
宮内1丁目の住宅街に「遺体保管所」が建設されていることを受けて、地域住民が反対運動を起こしている。7月13日には、地域住民を中心としたグループを結成し、宮内公民館で住民集会を開き、住民らが説明の無いまま工事を進行する事業主の対応への不満を示し、工事の中止を求めた。
遺体保管所は、本来葬儀社や斎場、寺院で預かる遺体を代わりに保管する施設。最近は、引き取り手が無い遺体や生活保護受給者などが増えているため需要があるというが、今回建設中の宮内一丁目の遺体保管所は住宅と工場が混在する地域に作られている為、地域住民らは、「遺体が多数近くにあるのは精神的ストレスになる」「臭いや衛生環境が不安」などと問題を上げ、工事前に説明が無いのは納得いかないと不満を述べた。市内の葬儀社11社からなる、川崎市葬祭具協同組合(鳥海信明理事長)では「タワーマンションなどは家に遺体を帰宅させることが出来ないなど、都心中心にニーズがあるのではないか。小杉周辺の葬儀社でも約7割が預かりを希望しているのが現状。しかし遺体の保管方法や管理などはきっちりとしないと後々問題が出てくることもある」と話す。
現在分かっているのは、人、犬、猫の遺体を24時間対応で受け入れることと、最大30体の遺体が保管でき、保管方法はドライアイスということだけ。
地域住民は事業主に説明を求めるため7月13日に、保管所の事業主である(株)シェア(竹岸久雄代表)を招いて集会を開いたが、事業主から不参加の申し入れがあり住民のみで行われた。 集会は事業主が不参加だったこともあり、参加者から「事業主が来ないのでは話にならない」などの声が上がった。また、住民の声に対する事業主の回答や署名集め等について意見が交わされた。
当紙の取材に対して竹岸代表は「今月の末には説明会を開く予定。今は答えられない」とのことだった。
今後は、7月23日(水)、午後6時から宮内公民館にて事業者を交えた説明会を実施する予定だという。
大田区では条例が改正に
近隣の遺体保管所としては、11年に大田区大森南に開所された施設がある。同施設も宮内と同じように住宅と工場が混在する地域に設置されており、開設後に知った地域住民らによって反対運動が起きたが、法的に規制が無いため、施設はそのまま運営された。しかし、約1万5000人の署名が区に提出され、12年3月に、葬祭場等の用途に供する建築物を設置する際、周辺環境の配慮を行うことや、管理運営上の事項について条例が追加改正された。
宮内でも現在署名活動が始まり、7月28日には副市長への申し入れを行う予定だという。
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