区内のベンチャー企業、(株)日本エレクトライク(松波登社長)が、川崎発の自動車会社として新たな一歩を踏み出した。これは同社が製造する電気三輪自動車が8日、国土交通省から自動車型式認定を受けたため。
昭和30年代に一世を風靡した三輪自動車。(株)日本エレクトライクの松波社長も学生の頃に乗車していたというが、転倒事故が多かったことなどから次第に姿を消していったという。それでも、「現代の技術なら高性能車として復活できるのではないか」―。
足掛け12年、国交省が定める保安基準への適合性など厳しい審査をクリアし型式認定を取得、ついにその夢を実現させた。
家庭用充電で60Km走行可
同社の電気三輪自動車の特徴は、家庭用コンセントで10時間充電すると約60Km走行でき、一人乗りで積載量は150kg。最高時速は50Kmで、左右後輪のモーターを個別に制御することで転倒する不安を解消した。最小回転半径は2・8mと小回りもきくため、狭域で利用する宅配業者などに適しているという。
また、車両価格は今回の認定を受けたことで、経済産業省の助成金を活用でき100万円程度になるという。同社では今後、生産・販売を本格化していきたい考えだ。
「アジアの環境変えたい」
松波社長が、環境に優れた電気三輪自動車の開発をめざし、東海大学と産学連携で取組みをスタートさせたのは2004年。それから2年後の06年には「川崎市起業家オーディション」で大賞を受賞、13年には「かわさき環境ショーウインドウモデル」に採択され、地元企業数社と実証実験も行っていた。
松波社長が掲げる目標は、アジア圏の車環境を変えること。「排気ガスによる大気汚染が深刻な社会問題になっている。CO2排出ゼロの電気自動三輪車を普及させることで、環境問題の解決に寄与したい」と熱を入れる。現在取引しているインドの二輪車メーカーに技術供与しながら、東南アジアでの販売も視野に入れていく構えだ。
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