市政レポートNo.63 日医大開発計画に先導的な地域包括ケアシステムが構築 川崎市議会議員 おしもとよしじ
改選後に召集された臨時会、定例会に続き、今年は、11年振りに「新たな総合計画素案に関する(議員)全員説明会」が本会議場にて開催されました。示された素案は、本市の今後30年程度を展望する基本構想と概ね10年の基本計画から成り、主な特徴として、施策の「成果」を重視した市民生活の変化を実感できる「成果指標」の導入や「直接目標」を各施策に位置づけることを掲げています。 その一方、それぞれの特色や地域課題を抱え、身近な市民サービスの提供を行う行政区ごとの”区計画”には、そのような成果指標や直接目標が設けられず、文章量も各区A4見開き2ページと残念ながら希薄さが目立ちます。
その全員説明会を前に報告されたのが、表題にもある”日医大開発計画”についてです。本市が同大から【1】老人福祉センター、【2】介護サービス施設、【3】交流・相談・情報提供スペースなど3施設の寄贈を受け、運営を行い地域全体で高齢者福祉を展開する都市型の「※地域包括ケアシステム」のモデル拠点にする方針が示されました。そして、中原区のこの地区の取り組みが、社会問題化する急激な高齢化がもたらす諸課題の解決に向けて、本市の将来を占う『先導的モデル』となることは、言うまでもありません。しかし、前述通りの”区計画”においては、このような区が抱える重要な施策についても反映されておらず、所管の健康福祉局に対して問いかけても、区の担当者と打ち合わせすらしていないということで現段階での施策構築には懐疑的であると指摘せざるを得ません。
ロードマップでは、平成29年度末までに行政及び関係団体・機関などの専門組織は、施策構築のための必要な資源・体制・手法等を検討、明確化し、具体的な事業展開が図られるよう土台づくりを行うとしています。地域課題解決に向けて、時間の猶予はありません。描くビジョンが”絵に描いた餅”にならぬよう議会からも厳しく注視する所存であります。
※地域包括ケアシステムとは、地域で疾患を抱えながら生活する高齢者等の増加に対し、医療においてはこれまでの「病院完結型の治す医療」から「地域完結型の治し・支える医療」へ重心のシフトが求められるとともに、医療のみでなく看護、介護、福祉・生活支援などを含めた必要なケアが、地域において一体・包括的に提供されることが新たに望まれ、そのために提唱された仕組みのこと
市議・押本吉司
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11月29日
11月22日