川崎市はこのほど、日本医科大学武蔵小杉病院周辺の開発方針を発表した。官民一体となった開発を行う予定で、市は敷地の一部の寄附を受け、老人福祉センターや介護サービス基盤施設を開設。また、民間のスポーツクラブや高齢者向け住宅等の導入も進め、2020年を目途に工事着手するという。
日本医科大学武蔵小杉病院は、1937年に日本医科大学附属丸子病院として開院。総合病院としての機能に加え、重症の傷病者を治療する救命救急センターを有し、地域医療の中核を担ってきた。しかし現在の病棟は約48前年に建てられたもので、増築を繰り返してきたが、老朽化が進んでいることや増築によって病棟間の動線がスムーズでないこともあり、機能性を向上させるために建て替えが検討されていた。
今回市から発表された開発方針では、「都市型の地域包括ケアシステムの構築」を実現する為、川崎市と日本医科大学が協力して行い、現在病院が建つ敷地の他、グラウンド、キャンパスも合わせて開発される予定で、医療と福祉機能を併せ持つ一体的な整備が進められる事が発表された。
施設としては、現在井田3丁目にある中原老人福祉センターが移設する。
高層化に不安の声も
さらに、在宅生活を支える為のサービス基盤施設、交流・相談情報提供スペース、看護系教育施設、クリニック、高齢者向け住宅、スポーツクラブなどを導入する予定だという。
同病院の開発推進部担当は「開発全体の事はまだ決まっていない為当院から話せることはないが、病院としては機能を向上させ、高度医療、救急医療の強化ができ、さらに地域クリニックとの医療連携をより充実できれば」と話している。
なお、開発にあたっては、昨年地元住民に向けた説明会やアンケートを実施。約180mの高層棟が2棟建つことによる日影やビル風、駅混雑など住環境に対する不安の意見があげられた一方、地域の中心的な医療機関として期待する意見も多く出されていた。
川崎市は、「市民に提出されたビル風や混雑緩和のための対策に関しては検討している最中。来年、都市計画と共に環境アセスメントの手続きを進める予定でそのタイミングで説明も行う」としている。
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