精神疾患 「家族に正しい知識を」 行政が支援セミナーを実施
川崎市は、うつ病やアルコール依存症などの精神疾患がある患者の家族を支援するセミナーを開催している。病気を理解し、正しく対処するための啓発や情報交換の場を設け、家族の負担軽減や再発防止に役立てたいとしている。
うつ病やアルコール依存症、薬物依存症などの精神疾患はストレスや過労など現代社会が抱える様々な問題が起因していると言われている。
川崎市精神保健福祉センターによると、精神疾患による通院治療の負担を軽減する制度「自立支援医療」の利用者数は平成21年度1万3508人だったのに対し、翌年には1万5273人、平成23年度は1万6255人と年々増加している。患者数の増加に伴い、その家族の精神的負担などに対する支援を求める声も高まっている。各地で患者の家族に対する啓発を行う大石クリニックの大石裕世副院長は「患者を一番近くで支えるのは家族。正しい知識を持って適切な対応をとることで、患者自身の早い回復や再発防止に繋がることもある」と話す。
こうした声を受け、川崎市北部リハビリテーションセンターでは4年前から川崎市在住者で精神疾患がある患者の家族向けにセミナーを実施している。セミナーは半年をかけて行われ、病気の正しい知識や医療を活用するコツ、患者本人への対処法などについて専門家が解説する。定員を15人前後の少人数に設定することで、参加者同士が情報交換の場として活用できるようにした。同センターでは「同じ悩みを持つ方同士が自由に話し合えるようグループワーク型のセミナーにしている。正しい知識を得ることはもちろんだが、同じ思いを共有する存在を見つけることで負担を軽くしていってもらえれば」と話している。
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「うつ病家族セミナー」…9月18日から2月19日まで月1回開催(全6回)。時間は午後2時半から午後4時。講師は大久保百恵氏(帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科医師)。対象は川崎市内在住で現在うつ病を治療中の患者がいる家族(1家族1人・当事者は参加不可)全回出席できる人。定員15人。参加希望者は7月25日午前8時半から電話もしくは来所で受付け(定員に達し次第終了)。
「依存症家族セミナー(アルコール・ギャンブル・薬物等)」…7月19日から12月20日まで月1回開催(全6回)。時間は午後2時から4時。講師は田口紀美子氏(大石クリニック看護師)。対象は家族の依存症で困っている人。参加希望者は6月25日午前8時半から電話または来所で受付け。
会場はいずれも川崎市北部リハビリテーションセンター3階会議室(川崎市麻生区百合丘2の8の2/小田急線百合ヶ丘駅徒歩10分)。詳細は同センター【電話】044・281・6621へ。※個人情報は厳守
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