迷い猫対策として、川崎市は猫の首輪に付ける専用ネームホルダーを無料配布している。これは、飼い猫が逃げ出して交通事故に遭ったり、野良化して苦情の対象となったりすることを防ぐため。また、飼い主の情報などを明記してもらうことで飼育管理の意識向上も促したい考えだ。
猫の飼育等に関して、市が頭を悩ませている課題や問題点は数多い。2016年度に市内の生活環境事業所に寄せられた猫の死体回収依頼は約2200頭で、1日平均6頭。そのほとんどが飛び出しによる交通事故被害という。
また、猫に対する苦情も後を絶たない。庭や花壇への糞尿被害や子猫の引取り依頼など、その数は2300件に上る。餌やりや飼育管理など飼い主に向けられた内容もあり、「餌が放置されカラスが群がっていて困る」など不衛生を訴える苦情も少なくない。
一方、飼い主側から寄せられるペットの行方不明届出は、2016年度は400件超。しかし、行方不明になった猫を見つけ出すことは困難で、無事飼い主の元に戻るケースは稀だ。
市では、こうした被害や苦情、相談を減らすために、今年度から猫の首輪に付ける専用のネームホルダーを作製し配布している。迷い猫となった場合は飼い主に届けることができるのに加え、責任を明確にすることで飼育管理への意識向上を図ることも狙いだ。
市は条例で、猫を屋内で飼うことや所有者を明示することなどを示した「適正飼養のガイドライン」を設けているが、浸透していないのが現状だ。猫は登録義務がなく、その数を把握できていないのも一因とみられる。担当者は「猫ブームもあり、市内で登録されている犬の約6万頭よりも多いと推測している。ネームホルダーを活用してもらい、少しでも状況や環境が改善されることを期待したい」と話している。
ネームホルダーは、区役所衛生課や動物愛護センターの窓口で配布している他、動物愛護フェアなどのイベントでも配る予定だ。
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