生田浄水場 ヨウ素「不検出」に 自然放射性物質を識別できず測定
多摩区内の生田浄水場の水道水から微量の放射性ヨウ素が検出されたと公表していた測定結果について、川崎市が今月17日、測定結果を改めて「不検出」だったと発表した。自然放射性物質と放射性ヨウ素を識別できずに測定したことが原因という。
断続的に検出
福島第1原発の事故に伴い、川崎市では市内の各浄水場の水道水に含まれる放射性物質の測定結果を3月22日から公表してきた。
3月23日には生田浄水場と潮見台浄水場、西長沢浄水場で乳児の飲用に関する基準値(1キロ当たり100ベクレル)の10分の1を下回る微量の放射性ヨウ素が検出されたと公表。国の指標値から考慮して、川崎市は安全性に問題はないと発表した。
首都圏の浄水場でも同時期に検出されるケースが相次ぎ、半減期が8日とされるヨウ素は各浄水場で数値が4月に入って低下する傾向を示した。潮見台浄水場と西長沢浄水場でも3月24日以降、検出される日はなかった。
ただ、生田浄水場だけが4月19日まで、10ベクレル前後の放射性ヨウ素を検出したと公表する日が断続的に15日あった。疑問に思った市民団体「かわさきの安全でおいしい水を守る会」が4月下旬、川崎市に対して原因究明を求める経緯もあった。
地下水から自然性
川崎市によると、市が公表した測定結果は、3月22日から横須賀市上下水道局に依頼し、「NaIシンチレーション検出器」と呼ばれる機器を使って測定したという。この機器は管理が容易である一方、エネルギー値が近い2つの異なる放射性物質を識別できないという。
川崎市では4月25日から川崎市衛生研究所の精度の高い「ゲルマニウム半導体検出器」に切り替えた結果、放射性ヨウ素は「不検出」と判定された。
生田浄水場は地下水を水源としているため、川崎市では「地中の岩石などに含まれる自然放射性物質が地下水に溶け出し、検出されたものと考えられる」としている。国立保健医療科学院の評価として「今回検出された自然放射性物質の濃度は健康への影響は問題にならない」と発表した。生田浄水場の水道水については今後、川崎市衛生研究所で測定を行い、平日は朝の測定結果を夕方に公表するとしている。
川崎市上下水道局によると、多摩区の水道水は生田浄水場とその他の浄水場の水を8対2の割合で混合して配水しているという。麻生区や宮前区、高津区、中原区、幸区の一部の地域にも生田浄水場の水を混合している。
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