自転車一方通行 概ね好評 京急川崎周辺で社会実験
川崎市と神奈川県警は14日、川崎区と幸区の区境にあたる県道川崎府中(府中街道)上に、自転車の一方通行道を設置する社会実験を開始した。期間は27日までの2週間。自転車専用の一方通行道の設置は、全国初の試みとなる。設置から6日目の19日、利用者の声を聞いた。
「以前は歩道を猛スピードで下ってくる自転車がいて危なかった。今回の取り組みは大歓迎」。毎日この道を通るという、70代の男性はそう話す。社会実験について意見を聞くと、多くの歩行者からは好意的な声が聞かれた。
実施場所は幸町交差点(幸区)から京急川崎駅(川崎区)に向かうJR線高架下の坂道。約200mにわたる仮設ガードレールを設置し、もともと片側2車線ある車道のうち、両端の1車線を一方通行の自転車道とした。
高架下付近はすり鉢状の坂道で、自転車のスピードが出やすいうえ、大きくカーブしていて見通しも悪い。今年5月には自転車同士の正面衝突による死亡事故も起きており、今回の社会実験実施の背景には、交通事故再発防止の意図も込められている。
自転車や自動車の運転者からも、自転車道の設置を評価する意見が目立った。
通勤時に設置場所を自転車で通るという女性は「設置前は人とすれ違うのが怖かった。今は安心して通れる」。川崎駅近郊を走るタクシー運転手の男性も「駅側に抜けるのにやや渋滞することもあるが、車道を走る自転車がいなくなった分、安心して運転できている」と話した。
27日以降も継続の方向
川崎市建設緑政局の担当者は「好意的な意見も多く寄せられており、今後も大きな問題がなければ引き続き一方通行道を設備したい」としている。実験終了後も坂道の仮設ガードレールは撤去せず、自転車の一方通行規制も継続していく予定だ。
市は27日以降、交通調査や通行者への聞き取り結果等を集約。年内に報告書をまとめ、年明けの本格的な自転車道整備を目指す。
周知やマナーに課題
現在は初日に40人配置していた誘導員の数を4人(19日時点)に減らすなど、誘導なしでどこまでルールが守られるのかを検証中。
19日の取材時には、ほとんどの自転車がルールを守って通行していた一方で、誘導員の制止を振り切って歩道を走る自転車も複数見受けられた。
また、誤って一方通行を逆走しそうになる自転車もあり、通行者のマナーと交通ルールの周知には課題が見られた。
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12月20日
12月13日