羽田空港の発着便を増やすため、殿町上空を上昇する新ルート案が国で検討されている。こうした中、大師地区町内会連合会(長島亨会長)は9月3日、航空機対策協議会を立ち上げた。今後は地元の意見を集約しつつ、国などに対し、騒音や安全面での配慮を求める。
航空機対策協議会は大師地区25町内会長がメンバー。同町連によると、00年の新B滑走路、10年のD滑走路の供用の際にも同様の協議会を立ち上げている。
国では2020年の東京五輪までに羽田空港の発着させる便数を増やすため、東京都心の飛行制限緩和を検討している。具体的には、羽田のB滑走路から川崎方面に離陸する新ルート案を示している。これによると、南風時の午後3時から7時頃の時間帯のうち3時間、2分30秒に1回の割合で殿町の実験動物中央研究所やLiSE、さらには川崎大師上空を飛ぶことになる。
会合では新ルート案に対し、騒音を懸念する声が聞かれた。日の出町内会長の市川康治さんは「殿町小学校2番の校歌には『河口はるかに爆音聞けば』いう歌詞があるように、60年前、我々はプロペラ機のブォーンという音に悩まされた。その音がいまだに耳に残っている。新ルートが、どのくらいの上空を飛ぶのか、どのくらいの音がするのか知りたい」と語った。
石油コンビナート地帯の飛行に対し、安全性を心配する指摘もある。66年には羽田沖で航空機墜落事故が発生。市と市議会議員が「臨海工業地帯上空の飛行禁止に関する請願書」を提出し、その後の一定の飛行制限がかけられてきた経緯がある。制限緩和が実現となれば、危険性が増す「防災計画自体見直しをせざるを得ない」との声が聞かれる。
協議会では今後、地域の様々な意見を吸い上げつつ、騒音や安全の配慮を要望するとしている。
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