都市開発で注目が集まる「小杉」にあやかり、台町の日本茶と海苔の卸・小売業者が、かつて臨海部の工場で働く労働者らが愛飲していた味の濃い日本茶を復刻させた。その名は「六三四 濃すぎ茶」。「川崎の味の原点を知ってもらいたい」と話す。
新商品「六三四 濃すぎ茶」は、同社が昭和30年から40年頃まで販売していた味の濃い日本茶。「川崎は労働者のまち。戦後は特に味の濃いものが求められていた。日本茶も何回も煎の効く濃いお茶を求めていた」と、(株)つな川・綱川健一代表取締役は話す。復刻は、発展著しい武蔵小杉エリアにあやかり「お茶を通じたまちおこしができないか」と考えたことがきっかけ。
加えて「小杉とお茶との関わりは深いのでは」との見立てもある。「江戸時代、小杉御殿町では殿様が鷹狩りを楽しんでいた。そうした場所には『お茶』に関する歴史が必ずある」と綱川さんは力を込める。
2年前からお茶と小杉にまつわる歴史を、当時の中原区長に調べてもらった。残念ながら直接の結びつきを発見することはできなかったが「市制90周年の節目の年。川崎の味の原点を思い出していただきたい」との思いから販売することになった。ネーミングは小杉と味が濃すぎるお茶にちなんで濃すぎ茶。武蔵を六三四としたのは遊び心からだという。
「六三四 濃すぎ茶」は掛川産のやぶきた種で抹茶のような色。15回味と色が出るのが特徴だ。
各地の秋祭りで販売
同社は新商品を知ってもらおうと、あす25日(土)、武蔵小杉駅前で開かれる「小杉フェスタ」でサンプルを無料配布するほか、11月1日(土)から3日(月)の富士見公園一帯で行われる「かわさき市民まつり」に出店する。
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