既存の建物を改築し、まちづくりの活性などに役立てる「リノベーション」を学ぶ学習会が8日、小川町のホテルで行われた。参加した市職員と市民約60人がアイデアを出し合った。
リノベーションは、既存の建物に新たな付加価値を付けて再資源化すること。工事費などが圧縮できるとして全国的に注目されており、空き住居や空きビル対策などに活用されている。今回、市が主催した学習会は、リノベーションがまちづくりに活かされた例があることから、川崎市でリノベーションの可能性を探ろうと、ワークショップ等を開いている「こすぎの大学」の協力を得て開催した。
イベント導入の学習会では、市職員が市内の空き家や空きビルの現状、他都市におけるリノベーションの事例を紹介した。北九州市ではリノベーションによって、新規雇用の創出や商店街のにぎわいにつながっていることが示された。
また、昨年9月に小川町の空きビルをリノベーションしたホテル「ON THE MARKS」の支配人、吉岡明治さんも同ホテルでの取り組みを講演。同ホテルは主に訪日外国人をターゲットに、川崎らしさをアピールしようと、川崎にちなんだクラフトビールなどを提供するレストランを開設したり、「音楽のまち・かわさき」を活かす試みとしてラウンジを設け、ヘッドホンを付けた鷲の絵などを壁に描いたことなどを紹介した。「かわさきをリノベする」をテーマに、様々なアイデアを出し合う意見交換では、参加者から「どこに空き家や空きビルがあるか市民が知ることが必要」「ビルの屋上を開放して花火大会を見たい」「空き家でキャンプがしたい」といった声が挙がった。
川崎市では、2030年までは人口の増加を見込んでいるが、その後は減少することが想定されている。総務省統計局の調査によると、住宅空き家率の全国平均は13・5%(2013年時点)。川崎市内では10・4%。市内では近年、空きビル等がワンルームマンションや駐車場などに転換される事例も増えている。市では人口減や六本木や品川など他都市の再開発に伴って、空き家や空きビルが増加すると見込んでおり、市民や企業の流出は油断できないとしている。
市担当者は「行政と民間が交流することで、まちの活性化に一歩踏み出す関係づくりができたのでは」と話す。市では、今後も他のテーマで学習会を継続していきたいとしている。
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