田島地区発祥 伝十郎桃が復活 藤崎小で成功祝い 試食
藤崎小学校(柴嵜淳校長)で田島地区発祥の伝十郎桃がこのほど実り、28日、「復活を祝う会」が開かれた。伝十郎桃復活への取り組みは、周辺小学校でも行われているが、しっかりと実がなったのは今回が初めて。05年に東大島小学校で始まった取組みは10年目で結実した。
伝十郎桃は1896年(明治29年)、田島村の吉沢寅之助氏が30数種を交配した中で発見した1品種。その後改良を重ね、「橘早生」へと進化。「白桃」「白鳳」、「あかつき」などにつながる。
区内での伝十郎桃の栽培は、発見から大正期に最盛期を迎えたが、工業化の進展により、途絶えた。
復活に向けた取組みは、05年、東大島小学校の創立50周年事業で多摩区の川崎市農業振興センター(旧市フルーツパーク)から穂木を譲り受け、ハナモモの木に接木したのが始まり。花は咲かなかったが、この取組みを知った市職員労働組合などが市立小学校に協力を求め、08年には藤崎小学校など6校で接ぎ木を行った。
藤崎小でなった実は直径6cmほど。渡田小、京町小学校でも実がなったことは報告されているが、藤崎小は最大。
復活を祝う会には、同校6年生の児童4人をはじめ、同校校長、市役所関係者ら30人が参加し、地元でフルーツ販売を手がける橋本幾男社長が用意した桃との味比べなどを行った。斎藤大河君は「柔らかい、優しい匂いだった」、伊藤悠生君は「家で食べる桃に比べて味が酸っぱかった」と話した。
現在、川崎区内では10の小学校と1事業所で伝十郎桃を栽培。飯塚正良実行委員長は「子ども達の学習のためにも、区内全小学校に伝桃を植え、実らせたい」と語った。
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