住宅地や学校などがある区域で歩行者の安全を確保することを目的に、道路だけではなくエリア単位で自動車の最高時速を30㌔に設定する「ゾーン30」。区内でも昨年から3つのエリアに設けられ、さらに広がりを見せつつある。
「ゾーン30」は、警察庁が生活道路対策として2011年9月から開始した取り組み。通勤時間帯の道路混雑時等の抜け道利用防止や走行速度の抑制により、主に子どもや高齢者が安全に歩行できるよう、区域を設定する。16年度末までに全国で約3千カ所整備することを目標としており、県警では12年度に29カ所、13年度に61カ所の整備を実施。市内でも宮前区、多摩区、麻生区ですでに整備されている。
川崎区では、14年11月に殿町1丁目、2丁目、3丁目にわたる約9・7haの区域に設定。続いて日進町中央公園を中心とした約8・6haの区域と、元木2丁目、渡田新町2丁目、3丁目にわたる約22・6haの区域に設定した。
30Kmの速度制限とゾーンの入口を示す標識は、それぞれの区域の道路の入り口に設置。川崎警察署は今後、道路管理者や地域住民らと協議をはかりながら、路面へのペイント標示や速度抑制の環境づくりを進め、よりドライバーへのアピール度を高めていきたいとしている。
設定にあたっては、川崎署、臨港署が区役所や該当区域の町内会等と相談し、効果的なエリアを絞った。川崎署交通課担当者は「広すぎても狭すぎても効果は出づらい。道路の形状なども含め、適した環境の区域を指定した」と話す。また、今後も効果的なエリアを選択し、関係者に働きかけを行いながら、エリアを増やしていきたいとしている。 臨港署管内では、15年度に409号線、産業道路、京急大師線に囲まれた江川1丁目、2丁目にわたるエリアでの設定を予定している。担当者は「409号線はトラックなどの大型車が多く通るので、抜け道対策としての効果を期待している」と話す。
交通事故死傷者全体に対し、歩行中や自転車運転中の死傷者の占める割合が幹線道路よりも生活道路において高くなっていることにも鑑み、川崎署担当者は「交通弱者の方が安心して歩行できるよう、効果を見守っていきたい」と話す。
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