障害者の雇用・就労促進事業に取り組む川崎市と事業提携したNPO法人ピープルデザイン研究所(東京都渋谷区/須藤信之(しんじ)代表)は8月23日、第1弾イベントを開いた。障害者らがスタッフとなって映画上映の運営など就労体験を実施、障害への理解を深めるトークショーも行った。
両者の連携による障害者雇用・就労促進事業は、「心のバリアフリー都市川崎」を目指し、様々な取り組みを実施していく。その最初の取り組みとして映画上映やトークショーなどを行う「夏休みピープルデザインシネマ」をラゾーナ川崎プラザソルで開いた。就労体験として障害者9人を含むスタッフ27人で会場設営や受付を実施、170人の来場者を出迎えた。
上映作品は全国公開されている「グレートデイズ!―夢に挑んだ父と子―」という新作映画で、親子として向き合えずにいた父親と、車いすの息子がトライアスロンに出場し挑戦する感動作品。聴覚障害者向けにパイオニア株式会社が開発した体感音響システムで映画を楽しむスタイルを実践するなど、民間企業による協力も得てイベントは行われた。
就労を体験した人は「映画の舞台づくりに自分が携われたのが良かった」「自信になった。またやりたい」などと感想を話した。
トークショーでは、須藤代表がロンドンパラリンピックに出場した山田拓朗選手らとハンディを可能性に変えることをテーマに対談を行った。須藤代表は「いつもは招待される側の障害者が170人の方々をもてなす素晴らしい仕事ができた。映画を通じて障害のある人とない人の交流が楽しめたひと時だった」とイベントを振り返った。
ピープルデザインは、ファッション性を重視し、同時に障害者向けの機能性を兼ね備えているデザインのこと。この考え方を生かし、靴やシャツ、バッグなどの製品が販売されている。
川崎市と7月に協定を結んだNPO法人ピープルデザイン研究所は、今後、イベントを通した就労体験のほか、研修や講演などを行い、市民や市職員などに向けた、心のバリアフリー意識の普及啓発を行う。7日にはアメフトの試合会場での就労体験を行う予定になっている。
幸区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|