自作の木彫りの警察歌を幸署に寄贈した 鈴木 繁夫さん 幸警察署巡査部長 58歳
人情派のものづくり職人
○…「定年退職まであと2年、署員の心に響くものを残したい」。今年1月の武道始めの時、紙に書かれただけの神奈川県警察歌を見て、趣味の木彫りを活かした警察歌の制作を決めた。5月中旬に完成した警察歌は、6月から道場に飾られている。警察歌は警察官にとっては原点。「署員が心身を鍛える武道場で、その原点を改めて胸に刻む力になれて嬉しい」と謙虚に微笑む。
○…高校卒業後、「白バイ」に憧れて警察官を志すが、実際の配属は地域課や第二機動隊。「乗る夢叶わず」と笑うが、人々の安全を守ることは部署が違っても同じ、確かなやりがいになった。その後は横浜市青葉区や藤沢市に勤務。パトロールなどで地域の安全・安心に貢献した。06年からは、秦野署で留置施設の看守を務めた。12年に着任した幸署でも看守を務め、看守歴は約10年に及ぶベテランだ。留置施設を出る人には「同じことを繰り返しては駄目だよ」と諭す人情派。
○…岩手県一関市出身。近くに世界遺産の平泉があり、よく訪れた。小さいころはやんちゃで、近所の子どもと野山を駆け回る元気な少年だった。中学、高校ではサッカー部に所属し汗を流した。周囲は寡黙で冷静な性格と言うが、自身は「おっちょこちょいで早とちり」と語り、思い出せないくらいたくさんのエピソードがあるのだとか。
○…ものづくりが好きだった父の影響で、子どものころから竹とんぼや杉鉄砲などを作っていた。今では表札や釣り道具の毛針など、趣味と実益を兼ねて作れるものは自作する。次回作は、昨年6月に生まれたばかりの孫娘へのプレゼント。かまぼこ板に好きなキャラクターを一体ずつ彫る予定で、現在下描きを進めているところ。「まだ受け取ってくれるかはわからないけれどね。孫の話をすると、つい顔に締まりが無くなってしまうよ」と祖父としての顔が垣間見えた。妻と二人暮らし。
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