神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

食物アレルギー 緊急対応 マニュアル化へ 小中で模擬訓練も検討

社会

公開:2013年5月30日

  • LINE
  • hatena
研修会は教職員らで満員に
研修会は教職員らで満員に

 相模原市教育委員会は、市内すべての市立小中学校を対象にした新たな食物アレルギー対応マニュアルを今年度中に策定するため、学校長、給食担当教諭などで構成する「相模原市立小中学校食物アレルギー対応検討委員会」を5月に立ち上げた。食物アレルギーを持つ児童・生徒の実態調査を行い、強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を発症した際の対応などをまとめる。もしもの際、迅速に適切な対応がとれるよう、各小中学校で模擬訓練の実施も検討していく。

 食物アレルギーへの対応は昨年12月、東京都調布市の小学校で、食物アレルギーを持つ女児が給食を食べた直後に死亡した事故を受け、動き出した。

 市ではこれまで、2010年に給食室を持つ小学校54校を対象に「食物アレルギー対応マニュアル」を策定していた。しかし、同マニュアルは安全に給食を提供する点に主眼を置いていたため、アナフィラキシーショックを発症した際の対応については記載がなかった。検討委員会では、現場の声を慎重に聞き、適切な対応がとれるマニュアル策定を急ぐ。

適切な処置で守る命

給食外の対応も検討

 新たなマニュアルでは、おかわりをする場合の対応など、これまで記載の無かった内容を補充していく。調理実習や課外授業など給食以外での対応も協議し、まとめる方針。

 一方で、食物アレルギーの研究はまだ歴史が浅く、新しい医療分野という側面がある。そのため、世間一般で知識や理解が不足している現状もある。そこで市教委では、16日に橋本小(緑区)で教職員を対象にした食物アレルギー研修講座、20日に市内全市立小中学校の教職員や学校保健会役員、消防職員などを対象にした大規模な対応研修会を開催、ともに会場は満員となった。「研修会後も、『うちの学校でも開いて欲しい』といった声を多く頂いている。先生方の関心は非常に高い」(市教委)という。発症した際の「模擬訓練」を、各市立小中学校で今年度中に実施することも検討していく。

医師・保護者と連携もカギ

 現在市内の市立小中学校で、食物アレルギーを持ち、アナフィラキシーショックを起こした際の緊急注射器「エピペン」を所持する児童・生徒の数は、50〜60人程度とみられている。過去に食物アレルギーがあったなど、グレーゾーンの子どもがいる可能性も否定できない。これら児童・生徒の安全を確保するための緊近の課題として、学校、保護者、医師の三者が日ごろから連携する必要を指摘する声もある。市教委では今後も、専門医などを講師に招き研修会を開催していく。
 

さがみはら中央区版のトップニュース最新6

県大会で優勝掴む

県相英語ディベート部

県大会で優勝掴む

学年の垣根越え団結

11月21日

悩みに耳傾け10年目

子どもの権利相談室

悩みに耳傾け10年目

専門家と連携し、解決へ

11月21日

東関東で2年ぶり「金」

共和小吹奏楽団

東関東で2年ぶり「金」

管楽合奏コンではヤマハ賞

11月14日

「全国の頂点へ 夢は五輪」

相模原SSC

「全国の頂点へ 夢は五輪」

小中学生選手に期待

11月14日

「適正受診の啓発を」

医療懇話会

「適正受診の啓発を」

関係団体が市に要望

11月7日

「地道な活動の結果」

原爆被災者の会丸山会長

「地道な活動の結果」

被団協がノーベル平和賞

11月7日

あっとほーむデスク

  • 11月7日0:00更新

  • 10月10日0:00更新

  • 8月22日0:00更新

さがみはら中央区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook