JR相模原・橋本の両駅を核とした広域的なまちづくりを進める市では、相模原駅を南北に分断する横浜線を地下化する案が浮上している。同駅北口に位置する相模総合補給廠の返還地などと同駅南口の既存市街地を一体的に繁栄させることが狙い。相模原駅周辺まちづくり課は「高架に比べて、地下化は一般的に倍以上の費用がかかる。技術的に可能かを含め、費用対効果を検証し、整備手法を判断する」と話した。
既存市街地への流入が課題
相模総合補給廠一部返還後のまちづくりを巡って市は、「未来を拓く さがみはら新都心」を掲げ、リニア中間駅が設置される橋本駅周辺と共に一体的に整備する構想を持つ。昨年8月には学識経験者や市民、交通事業者、国土交通省、神奈川県などで構成される広域交流拠点整備計画検討委員会を発足。2015年度末の整備計画案策定、その後の都市計画決定に向け、整備手法の検討、補給廠返還地の土地利用案など、具体的な協議を進めている。返還地には、国際コンベンション施設の設置や大型商業施設の誘致、行政機能、広域防災拠点機能、スマートエネルギーの導入など、様々な意見が挙がるが、同駅北口の返還地だけが発展するのではなく、南口の既存市街地にも人が流れるようにする仕組みづくりが課題となっている。
駅周辺を自転車で周回
そのため、返還地に整備する(仮)東西道路や(仮)南北道路など、新設や延伸する道路には自転車専用レーンを設け、駅南口の既存の自転車道(専用レーン)とつなげることで、駅周辺を自転車で周回できるように工夫し、北口と南口の回遊性を向上させる案が挙がっている。
南北間の連携機能を強化する上で、最大のネックとなっているのが、相模原駅を南北に分断する横浜線の存在だ。同委員会においても、整備手法は従来の高架の意見に加え、「地下化が望ましいのでは」という声が出ているという。
補給廠の返還地のうち、「鉄道・道路用地」の約2haについては、延伸させる小田急多摩線を地下に整備し、相模原駅の地下に多摩線の新駅を設置する構想もある。仮にJR横浜線の地下化が決まれば、相模原駅自体を地下に整備し直すことも考えられそうだ。
市は15年度中にJR矢部駅から橋本駅間を対象にさまざまな調査を行い、費用対効果や課題を浮き彫りにし、地下化か高架化を判断する材料つくりに力を入れる方針。
現時点では、【1】矢部駅〜橋本駅間すべてを地下化【2】相模原駅周辺だけを地下化【3】地下化ではなく高架にする案が想定されるが、調査に時間がかかるため、整備手法の決定は早くて15年度末になるもよう。
市はすでにJR東日本との事前調整も進めており、横浜線の連続立体交差化(地下もしくは高架で踏切解消)へ向けた本格協議に前向きな姿勢を得ているという。
さがみはら中央区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|