相模原市在住で、相模原青陵高校(南区)3年生の長谷川ほのかさんが、8月24日に津軽海峡(青森県権現崎〜北海道白神岬・約30Km)の単独横断泳に挑む。所属する相模原市水泳協会によると、成功すれば世界最年少記録になるという。
挫折が転機に
長谷川さんは生まれも育ちも相模原市。4歳からスイミングスクールで水泳をはじめ、小学3年生の時、市水泳協会の強化チームに移籍した。相陽中学校時代に800m自由形で、全国中学校水泳競技大会をめざしたが標準タイムに届かず。「水泳をやめようと思った」ほど、大きな挫折を味わった。その後も立ち直ることができず、競泳選手としては結果を出せずにいた。
転機となったのは高校2年生。海や川など自然の中で泳ぐ「オープンウォータースイミング」という競技があることを知った。当初は「海に入ることすら怖かった」という長谷川さんだが、持ち前の好奇心が勝り、10Kmの大会に出場。見事、完泳を果たした。
ふとした一言で
昨年にはオープンウォーターのジャパンオープンに出場。全体で15位、高校生で4位となった。その際、世界オープンウォータースイミング協会が、7海峡(オーシャンズセブン)を定めていることを知った。その1つが津軽海峡だと聞き、「津軽を横断できたら格好いいですね」とコーチにもらしたという。当初は本人も冗談のつもりだったが、周囲の期待は高く、挑戦へのお膳立てが進んでいった。
市水泳協会のコーチいわく、長谷川さんの最大の武器は心肺能力の高さ。安静時の心拍数は42で、「長く泳ぎ続ける能力が高く、ここまで効率よくエネルギーを使える選手はいない。体力的には絶対に成功できるはず」と太鼓判を押す。
心配なのは天候や潮の流れ、水温などのコンディション。自然が相手の競技なので、当日の状況次第では潮に流され、倍以上の距離を泳ぐ可能性もある。コーチやナビ役が乗る船が指示を出しながら併走するが、チャレンジ中は船につかまったら失格。
「挑戦で勇気与えたい」
食事や水分も泳ぎながら摂取するという過酷さ。それでも長谷川さんは前向きだ。「体力と我慢強さが私の武器。成功できると思っているし、私の挑戦を見て、今何かを投げ出しそうになっている人が『自分も頑張ってみようかな』と思ってくれたら嬉しい」
7月31日現在、津軽海峡単独横断泳に成功したのは20人。そのうち日本人は3人だけだ。
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