相模原市の放射能汚染対策を求める有志の会代表 能勢 広(ひろし)さん 南区下溝在住 42歳
「蝶」も「汚染」も 本質追求
○…七夕の願いが叶ったのかもしれない。今月7日、1,900名分の署名を持ち、相模原市役所に出向いた。土壌汚染の調査を―。14日、市は幼稚園など計280カ所の空間線量計測、また市内27カ所の公園等の土壌調査の実施等を発表した。「調査拡大は大変評価できるものだと思います」。4歳の娘をもつ。彼女の存在が放射能への危機感を募らせた。「署名を集める際、ネットで連絡先を公表しましたが、一回も誹謗・中傷はありませんでした。みんな本当は心配なのだと…」。
○…本業は映像カメラマン。短編のドキュメンタリーを撮り続ける。31歳の頃、7年かけて撮影した天然記念物・ギフチョウ(蝶)の生態を23分の作品として発表。文化庁などから表彰を受けた。現在は「15年はかかるかな」という”大作”に挑戦中。1年で2週間しか姿を現さない蝶を追う。「人の目に触れないで絶滅していく昆虫もいる。そういった所にも目を向けないと。いつか人間だってそうなるかも」。”問題提起”が映像を撮る理由の一つだ。
○…賞をとった作品は父親の遺作を引き継いだもの。実は祖父、父と3代続く映像カメラマン一家。祖父は日本初の航空撮影を試みた人物。父親は700本ものCMを世に送り出した。 ”3代目”のセールスポイントは感度のいい視力。「暗闇を走るジャッカルを見つけることもできました」。何度か違う仕事へ進みかけたが、気がつくとこの道に戻っていた。
○…「TVの仕事は断っています。人の役にたたないから(笑)」。署名活動をしていて気づいたことがある。小さな子どもを持つ親の中でも、汚染に対して敏感な人と、関心のない人。「TVの放射能の情報は福島県が中心。相模原市での汚染は知ることができない」。流れてくる情報を受け取るだけの人、ネットを使って進んで情報を収集する人。その違いを実感した。今後は「保育園への弁当持参の許可」を訴え、署名活動を行う。
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