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ブックオフコーポレーション株式会社(南区古淵)代表取締役社長に就任した 松下展千(のぶゆき)さん 東京都府中市在住 43歳

公開:2011年9月22日

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「ものは捨てない」 全国にリユース文化を

 ○…スターバックスコーヒーのロゴからこの春、「COFFEE」の文字が消えた。商品を売るだけでなく、これまで築いたブランド力を武器とした、新しいサービス展開を考えてのことだそう。名前は『ブックオフ』だが洋服、おもちゃ、スポーツ用品まで扱う。既にこの会社は本だけのイメージにとどまらない。「将来的には違う社名になるくらい、時代にあわせたリユース(再使用)ビジネスを展開したい」。21年前、中央区千代田からスタートした中古書店は現在、全国で千店舗を超えるグループに成長した。

 ○…昭和43年、福島県に生まれる。2メートルも雪が積もる豪雪地帯で育った。「ほっぺが赤くて典型的な”田舎の子”でしたね」。高校まで県内の学校に通った後、上京、成蹊大学に進学。「自分には正直、夢がない。『誰かの夢を手伝う』仕事ができれば」と銀行員の道を選んだ。12年間勤務し、当時取引先だった会社(ブックオフ)から誘いをもらう。「伸び盛りで元気が良い。面白そうな会社だなあと」。立場が変わり、現在はその印象を維持する役目に。「(就任して)責任の重さを実感しています。背筋が伸びる毎日です」。

 ○…「忍耐強い。(社員が)気付くまで待っていてくれるタイプ」と、社内からの評判。休みの日は小学生の長男に誘われ、釣りに出かける。「その魅力は”我慢”ですかね」。好きな作家は司馬遼太郎。購入はどこで?「本屋で新品を。読んだらブックオフに売りますよ」。

 ○…「松下さん、どうしてそうするの?」「坂本さん、普通はそうするんです」「何でそれが普通なのか教えて」。創業者である坂本孝氏から多くを学んだ。「仕事に普通はない。根本的な所から説明しなければ伝わらないんです」。迫り来る出版電子化の波は、同社の経営に影響を及ぼしかねない。「本(著作物)は大切なもの。いいものは無くならない。どういう将来になろうと、弊社はリユースの窓口であり続けます」
 

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