麻溝台 通りに愛称「たまご街道」 地場産業=養鶏をPR
南区麻溝台で養鶏業を営む地元の農家(企業)が手を携え、組織する団体「麻溝畜産会」(角田(かくだ)隆洋会長)が”畜産エリア”の積極的なPRをはじめた。第一段階の取り組みとして、地域の主要道路である市道(北里大学東病院から南台・相模台方面への道)を「たまご街道」と名付け、今月中旬から沿道にこの愛称を記したのぼりを掲げている。
戦後、現在の緑区青根(あおね)・青野原(あおのはら)地区の人々の入植により、開墾された麻溝台の地。土壌が畑作に適さなかったこともあり、畜産業が盛んになった。中でも隆盛したのが養鶏で、最盛期には40を超える業者が軒を連ねていたそうだ。しかし、宅地化が進んだこともあり、現在このエリアには7軒を数えるのみとなっている。
同会は昨年12月、地元の全養鶏農家が集まり、活動を開始。「もともとはみんな家族ぐるみで付き合っていたようなもの。改めてこうした組織で連携し、色々試みることで、麻溝台の産業として注目を集められれば」と、会長の角田さんは会の眼目(がんもく)を話す。
若者に「麻溝台の歴史を」
もともとこの市道は、地元の年輩の人たちから「たまごみち」「たまごロード」などの名前で呼ばれていたという。「街道の方がゴロがいい」と会合の中で話がまとまり、この愛称が採用されることとなった。
現在は、卵の直売所や、プリン・シュークリームといったスイーツを販売している店舗が点在しているこの通り。地元の人たちは鶏卵を生産して、販売することでこのエリアの発展に貢献してきた。しかし、地元の若い人たち、特に小中学生の中には、麻溝台における畜産の歴史を知らない人も増えてきているという。
そうした現状を受けて、同会では今後、近隣の学校からの職場体験の受け入れを積極的に行っていく予定。「農家間の横のつながりを大切にしつつ、外との交流を通じて、自分たちの生業(なりわい)に愛着を持っていただければ」と、角田会長は意欲を示した。
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