生活協同組合パルシステム神奈川ゆめコープ(横浜市)は1月31日、2月1日に南区相模大野で、甲状腺エコー検診をおこなった。 検診は東京電力福島第一原発の事故による健康被害を心配する組合員の要望により企画された。同組合では今年秋以降に本格的な甲状腺エコー検診を準備しており、今回はそれに備えての試験的な実施となった。
受診の対象は組合員で、事故当時18歳以下だった人。48家族84人が検診を受けた。
「受診した方々の中には、事故当時福島にいて、今は関東に避難・移住されているご家族も複数おられました。福島県民健康調査で検査を受けても、あまり説明がないまま、数か月後にA1やA2と書いてある紙が届いただけだそうです。不安を抱き、今回受診され、エコー画面をお見せしながら、できるだけ丁寧に説明しました」と受診にあたった、さがみ生協病院(相模大野)の牛山元美(もとみ)医師。「早期発見による早期治療、そして、『検査を受けたけれど大丈夫だった』という安心を得るために、甲状腺集団検診は、自治体や医師会、国が本来取り組むべきものだと思います。福島第一原発事故における被ばくと甲状腺ガンの関係をしっかり調べるために、たくさんの人が参加して、甲状腺エコーによる検診が行われていくことに期待しています」
神奈川でも不安
当日は牛山医師の他に県勤労者医療生活協同組合の沢田貴志医師、船橋二和病院の柳沢裕子医師も担当をした。
同組合広報部では「応募の件数は定員の2倍以上となり、神奈川県内でも放射能の影響を心配する方が多くいらっしゃる事を再確認しました。検診は、その場で結果をお渡しし、医師から直接説明を受けていただく方式が好評で、この取組の必要性も感じています」と今回の受診を振り返る。秋以降に、県内数カ所で数百人程度の子どもたちを対象とした甲状腺エコー検診を予定している。
牛山医師は、原発事故以来、子どもたちを放射線による被ばくから守るための啓発活動を続けている。一昨年3月にはベラルーシ共和国を訪問し、チェルノブイリの状況を視察した。
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