緑区川尻周辺の小松・城北地区で里地里山の保全活動を行っている「小松・城北里山をまもる会」(樋口庄太郎会長)が14日、相模原市と「里地里山保全等促進包括協定」を締結した。市内で同協定を結んだのは初めて。財政面での支援や、市民・企業との交流・連携態勢が整ったことで、今後同会では、里地里山を市民の共有財産として将来に継承するため、さらに尽力していきたい考えだ。
里地里山は、現在、管理・利用されていたり、過去にされていた農地や水路などの土地と、人が日常生活を営む場所が一体となっている地域のことをいう。小松・城北地区は、境川の上流で、北・西・南の三方を山に囲まれた市内でも有数規模の谷戸。複雑な地形と緑に囲まれた景観で、イノシシやホタル、カタクリなどの動植物が多く見られる。加えて、縄文時代の土器が出土されるなど歴史的な特徴もある県内でも稀有な里地里山を持つ地域だ。
一方で、時代の流れと共に管理する人が少なくなり、年々その環境が失われつつあった。そうした状況を危惧した地域住民は、20年ほど前から地域の環境保全や再生のための活動を開始。8年前に同会を発足した。雑木林の復元・保全・資源の活用、谷戸のため池、水路、畑などの復元維持管理、地元小学校と連携した生き物調査などを行っており、2009年には、神奈川県と「里地里山活動協定」を締結。県からの支援を受けながら、活動を続けてきた。
昨年4月、相模原市は数少ない里地里山を市民と守り育てていくため、「里地里山の保全等の促進に関する条例」を施行。同会は、地元住民で結成され、長期的な活動が出来る体制であること、景観、生物多様性、伝統的な文化の継承などの里山の機能向上に資する計画があることから、条例の条件を満たし、今回の協定締結に至った。
後世に残る里山を
同会は今後、「後世に誇れる里山づくり」を目標に、ホタルやトンボ、オオムラサキが生息できる環境を創出・整備するための水環境と里山の維持管理を計画。また、古道を整備したハイキングコースの設置、地域全体を博物館に見立てた「生き物調査」や「巣箱作り」なども視野に入れているという。市と協定を結んだことにより、財政面だけでなく、市民交流の場の創出や、企業との連携などの支援・協力を受けながら、計画を進めていく。樋口会長は「山をきれいにしたり継承者を育てたり、後世に残すための保全活動を、市や県と協力して行っていきたい」と話している。
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